2巻まで読んでみました。MMORPG、それも全身全感覚で仮想空間に没入するといういわば映画マトリックスのように仮想空間内で展開されるゲームが舞台です。しかも創造者の悪意によりプレイヤー1万人がゲーム内に囚われた状態になり、ゲーム内の死がプレイヤー自身の死に繋がるという設定。
世界は10kmほどの円盤の上に構築されていて、それが100層ほど重なっている構造。各層は1カ所だけの階段で繋がっており、それはモンスターひしめく迷宮エリア内に設置されています。そしてその階段の前には当然のようにボスモンスターがおり、それを倒さないと上層には登れない。誰かが一度登れば転移ゲートが設けられるので順次登っていき、そうやって最上階までクリアすれば晴れてプレイヤーは現実世界に解放される…という。
ネタバレ書きそうなのでいちおう伏せてみる。
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ようやく17巻を読み終え、完結に至りました。
いちおう16巻で終わって17巻でエピローグということをちょっと前に知り、10巻あたりでなんとなく放置していたのを慌てて再開してました。…ていうかこう、年単位で放置しちゃってるとありがちなんですが、ダブりが2冊も発生してたり…orz
アニメは放映の関係で見てませんが通しで見てみようかなーという気にもなったり。1期はわりと評判良かったように思うのだけど3期が無いってことは2期がぱっとしなかったのかな。アニメの絵は原作絵とちょっとイメージが違うのだけど、好評だったってことは違和感もさほど無い…んだろか。ちなみにゲームは2本とも買いました。1作目はちょっとやって積み、2作目は起動したかどうかも覚えてません。なのに両方ともポスターとか付いてる限定版買ってるし。貼るとこないのに。
そんなわけでネタバレになると思うので伏せてみる。
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長いこと待った続刊2つ。
とりあえず「げんしけん」10巻、部員が世代交代していったん終わり、「二代目」となって再開しての初巻ですが物語は完全に続いているので通巻で10ということに。
話としては荻上が部長となって新年度が始まり、無事新入部員も迎えて…という展開なのだけど、相変わらずというかメンツが濃い。新人も腐女子主体というのはご時世を反映してのことか。まあ普通に男オタクの話はこれまでで語り尽くしてる感もあるしな。荻上以外には大野と朽木が残っていて、あと何故かマダラメも普通にレギュラー扱い。学校に近いところにアパートを構えているためなにかと絡まれている感じに。笹原は荻上の彼氏&アドバイザーとしてしばしば顔を出しますが、マダラメよりよっぽど出番少ない感じです。
まあ本当に従前のノリをそのまま引き継いだ印象で、メンバーが替わってもそれぞれまた別の個性的な面々によって引き起こされる騒ぎに笑わしてもらいましたw 個人的に従前から感心してるのがクッチーこと朽木の扱いで、まあぶっちゃけうっとおしいうるさいオタクキャラなのだけど、扱いようによっては単に不愉快なだけの存在になりかねない(実際登場当初はそういう印象が強かった)のをうまいこと役割を与えて賑やかしに一役買わせています。特に感心したのが過去のコミケ(作中ではコミフェス)参加時のエピソードで、コーサカのコスプレに驚いた咲が一言苦言を呈しようとしたその瞬間に「いやーイイ買い物した!」とさわやかにウザく割り込んできて、咲にものすごく綺麗なキックを食らってたシーンです。まあ要するにウザいことして痛めつけられる、という位置づけなのだけど、そういうポジションは今作でも健在な模様。…ていうか、結果的に痛めつけられてるから不愉快を覚えずに面白がっていられるのかな。
とりあえず今作は再開当初ということもあってか軽く笑えるエピソードが揃ってますが、そのうちまた重めの話も出てくるのかな。コミフェスと荻上の仕事の締め切りが重なってるというのがいろいろ暗い影を落としてそう。あとは大野が卒業してどうするのとかそういうのも気になるなー。
もう一方の「天冥の標」4巻はまだこれからですが、1と2がかなり時代が飛んでいて3でまた1に近づいたような感じだけど、4はまたそのへんの話なのかな。10まで出る予定らしいけど謎だらけだった1の真相というか世界状況みたいなのはだんだん解ってくるんでしょうか。
書店でたまたま目に入った山本弘氏の新刊、ていうか単行本の文庫化みたいだけど、あらすじを眺めたら面白そうなので購入。面白かったです。
巨大質量を持つ天体が地球とニアミスする軌道で接近していることが判明、衝突せずとも甚大な被害を受けることになるのでそれを回避するために地球をその公転軌道からちょっとずらす、というのがタイトルにもある計画でそれの話です。ちょっと未来、2080年頃からの話。
長くなったので以下閉じ。
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以前から気になる小説ではあったんですが、なかなか凄惨そうな感じがして手を出さずにおりました。でもアニメ映画化したとかでまた書店で目立っていたので手に取ってみた。
確かに、凄惨な殺戮のシーンはそこかしこに出てきました。だけどもそこまで悪い方に響かない…というか、これがそのままにコミックやアニメになってビジュアルを伴ったら結構えらいことになりそうな感じはします。小説だどそのショックが薄いぶんだけ物語に集中出来る感じに。いや実際のところアニメもコミックも見てないんですが。
物語は3巻完結ですが、エピソードを分けているわけじゃなくて完全に繋がった連続した話です。1巻とか「この後どうなる!? 以下続く!!」みたいに終わるし。
以下ややネタバレ気味に。
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あちこちで話題になってた気もする「進撃の巨人」を読んでみた。現在2巻まで出ています。
人間を食う巨人に脅かされる人類という話で、闘ったり食われたりします。ていうかもう食われまくり。巨人も大群でやってくるので人類側は基本どうやって引くかという展開になってしまいます。あとモブキャラが多すぎて、次々に食われていく周囲の人たちが悲惨なんだけど思い入れを入れる暇が足りない気すらする。もっともっと個別のキャラを深く描いていれば悲壮感もより増すのかもしれんけど、それどころじゃない印象。
しばしばデッサンが狂ってるような、いささかラフな絵柄なんだけど、しかしそれを補って余りある勢いが充ち満ちていてとんでもないことになっております。悲惨で凄惨で、そしてやたら熱い。2巻で希望のかけらのようなものが見いだされるんだけど巻末予告ではそれすら踏みにじられるような… もうすぐ3巻が出るんでしたっけ、先が気になる話だ。
あとこれは小説ですが「スワロウテイル人工少女販売処」も読んでみた。珍しく表紙買い。なんとなーく書店で眺めているときに、白地に少女をぽつんと描いた表紙が目に入った。黒地に青や緑がかった長い髪を引いて…と思ったら蝶のような羽根がついていた。今風のラノベっぽいタッチで、最初はミクかと思ったのは内緒。でよく見たらミクじゃなかったんだけど、妙に気になって仕方なかったので買って読んでみました。
タイトルのように人間と人造人間の共生の話で、人工臓器がどんどん発展していったら人間まるごと作れるようになったという世界。そんな中で妙な病気の蔓延により男女が別々に管理された自治区の中で、異性として浸透しているその人造人間(作中では人工妖精:フィギュアと呼ばれる)らがいろいろ活躍したり事件起こしたりします。
裏表紙に「苛烈」という言葉があったのでどんな凄惨な話なのかと思ったら、確かに流血のシーンは結構出てくるしその描写もやたら細かかったりしますが、表紙の絵柄を裏切らないラノベ的な(?)軽いやりとりのほうが目立ってる気がする。しかし人を生みだそうとする人間の業の深さとか、いろいろ感じ入るところもあったりで表紙買いはなかなかうまくいったようです。続編も作ろうと思えば出来そうな気がしますがどうなんでしょうねコレ。まだデビューしたての若い作家さんみたいですけど。
…しかしここのところ、妙にこの凄惨な話ばかり選んでいるような気も… 某Webコミックなどうっかり読んだらえらいことに。そのうち夢にでも見るんじゃないかってぐらい強烈だった。
私的には「けいおん!」のようなゆるゆる系のほうが好きなんですが。
小川一水「天冥の標Ⅲ アウレーリア一統」を読んだ。全10巻予定の3巻にあたるもので、2300年代の宇宙海賊討伐物語といったところか。
以下ネタバレを含むので伏せ。
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「まおゆう」こと魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」 が面白いです。web小説と言っていいと思うんですが、そもそもは掲示板上に連続投稿されたものみたいです。
ファンタジーRPG的な物語なのだけどほとんど全部が会話だけで進行するという形で、それなのに豊富なキャラクターがそれぞれ個性的でなかなか楽しい。ニヤニヤする展開があると思えば政治・経済・陰謀といったいろんな要素も入ってきて飽きさせません。
ファンタジーRPGと言いつつ、ゲームにするなら信長系のような政治SLGや街育成系が合ってるんじゃないかと思わせるような構成だったりも。
「アイの物語」「闇が落ちる前に、もう一度」に続いて長編を読んでみた。
この世界が神の創造物でありUFOとかポルターガイストとか超能力とかの超常現象は全て神によるものだという話なんだけど、あくまでSF的な、便宜上「神」と呼んではいるけど従来の神を超越した存在なので別に宗教の話ではありません。いや聖書の話も出てくるし、ある種の宗教的な絡みも出てくるんだけど…
各方面の超常現象のエピソードが膨大に出てくるのだけど、作者はその方面の研究で有名な人らしい。そして実際にあったエピソードを豊富に取り上げつつ創作エピソードも織り交ぜているらしく、そのへんの手腕はさすがといったところか。
で結局神の意図とは何か、何のために超常現象を起こしているのかといった究明に進んでいくわけですが…
若干ネタバレになりそうなので以下伏せ。
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山本弘「アイの物語」を読んだ。いちおうSF短編集なのだけど、未来世界でアンドロイド女性が人間男性に読み聞かせる一連の話という構成になっています。アンドロイドらメカ社会に対立する存在として囚われた男性が話を聞かされるうちに世界の真実に近づいていき…といった感じ。
面白いのは、作中で語られる短編が「これも事実と違う創作だけどね」的に語られること。しかもリアルでの初出が微妙に前後していて、作者が最初からこの構成にまとめる意図があったわけでもないのかもと思わせること。そしてその内容が仮想空間とかAIとかロボバトルといった、現代のゲームでよく扱われる素材(技術的にもテーマ的にも)だったりして、なおさら興味を惹かれます。ていうかオンラインゲームとか仮想空間とかやってる人は絶対読むべき…というか、かなり感じるところがあるんじゃないかという話。
以下若干ネタバレ含む感じ。核心には触れない予定。
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