『狂乱令嬢ニア・リストン』web版を読み終えた。病弱で死に瀕していた貴族令嬢に過去の武を極めた英霊が宿り、いろいろ巻き起こす話。死にかけの女の子に別の魂が、というのは『本好きの下剋上』と同じ構図。『本好き』の場合は前の魂と融合したようなしかし後から入ったほうが優位性を持っていて前の魂は休眠している感じで両方の記憶を有しているという形だったけど、こちらでは完全に死んだ直後に謎の術師が別の魂を呼び出して入れた形。なので過去の記憶は無い。あと『本好き』と違うのは現代社会からの転生じゃなくて同じ世界の過去からということみたい。とにかく武を極めているので、だいたい暴力でいろんなことを解決して回る。邪魔する奴らを片っ端から叩きのめしていく様はなかなかに痛快。そして前世では違ったらしいけど今生では不殺なんですよね。なので暴力的だけどそこまでの殺伐感は無かったりもする。いちおう完結してるけど4歳で始まって12最までだったかな。そこからもいろいろ活躍は続いたみたいでいろんな伝説を残した、という感じで締められてるけど、語られたのは12歳までだったのは小さい子が暴れまわる様子じゃないと面白くないからという意向だったんですかね。
漫画版も読んでいるけど、絵が緻密で美麗で良いです。美形キャラが皆それぞれに美形だし、悪役キャラがただの雑魚モブじゃなくそれなりに悪そう&怖そうに見えるのも良い。専属侍女のリノキスとか同業仲間にしてライバルのヒルデ姫とかレリアとか、想像だけだったビジュアルが動きまくっていて嬉しい。特にヒルデとか、会話内容が大人っぽいのでもっと大人のイメージだったけど主人公と同年代だからまだ普通に小さな可愛い子どもなんですよね。作中でも一緒に街に遊びに出てキャッキャする子供らを愛でるような描写があったりするし。バトル描写も良いし、このコミカライズは大成功の部類に入れていいと思います。個人的には『月導』のコミカライズ同様に最高峰。
2024/10/16
狂乱令嬢ニア・リストン
2024/07/25
飛び立つ君の背を見上げる
『飛び立つ君の背を見上げる』読んだ。『響け!ユーフォニアム』の、夏紀を主人公としたスピンオフ。夏紀の視点から、希美・みぞれ・優子との関係を描く。その中では1年のときに希美たちが集団退部した事件とか、『リズと青い鳥』で描かれたみぞれと希美のエピソードなども回想として描かれるけど、部活卒業からの流れがメイン。その中で、集団退部した連中が組んだインストバンドが卒業式後にカフェを貸し切ってライブパーティをやるので、その前座でギター弾いてくれと頼まれて優子とともにツインギターユニットとしてステージに立つことに。夏紀は中学から独学でやっていたので優子に教える立場なのだけど、楽器経験者だけあってか筋は良くてすぐに弾けるようになり、優子がリードギターで夏紀がリズムギターとボーカル担当という構成。そのステージに向けた準備をしたり、4人で遊園地に行ったりという中で様々な回想や夏紀の想いがいろいろ語られてました。タイトルにある「飛び立つ君」はオーボエで圧倒的な才能を示して音大に進学するみぞれのことで、自分が凡人だと強く自覚している夏紀はそれを見上げて見送るしか無い。でも見上げているっぽい表紙絵では晴れやかな表情なんですよね。みぞれの才能には圧倒されるけど、だからといって嫉妬したり突き放したりもしない。みぞれの方も無表情で感情がわかりにくいけど、夏紀や優子のことはいい友達と思っているような感じ。もちろん一番は希美なのは変わりないけど。
しかし映像で夏紀がギター弾いているのを見てからずっと気になってここまで追ってきましたけど、ここまで来たら原作も全部追うべきなんですかねえ… なんだかんだでアニメになるといろいろ端折られてるらしいし。今回のコレも、細やかな心理描写がいちいち刺さってくるし。
2024/04/17
私の心はおじさんである 2巻
『私の心はおじさんである』2巻が出てたので読みました。ユーリを拾って預け、ボンボン貴族に振り回される護衛の旅。…ってぐらいで終わってた。あとレジーナも顔出しだけしてたか。えらく短いんじゃないか!? と思ったけど、容量?表示で3327、ページ数で276と出ていた。そこまで短いというわけでもないのかな。それにコミカライズも連載告知があったけどまだ始まってない模様。Kindleでも告知の帯が付いた版の表紙までしっかりあったのに。コミカライズも期待しているので早く読みたい。
2023/09/13
鍛冶屋 8巻
『鍛冶屋で始める異世界スローライフ』8巻読んだ。7月に出ていたけどようやく。とある依頼により森に発生したモンスターを討伐したり、森の精霊たちと交流したり、家を拡張したり。今回特に目についたのがカラーイラストで、前半のモンスター討伐をSRPGに見立てて対峙の様子を描写している。前衛にアンネ・エイゾウ・ヘレン・ディアナがいて、後衛に弓装備のサーミャとリディ。そしてリケが非戦闘員としてつまみ出されようとしているといった様相。ちょっとデフォルメした造形で、よく見ると眼の描き方とかがいかにも『FFT』を意識してるように見える。ついでにHPも書かれていて、巨人族のアンネが一番高い876で次がエイゾウの785、傭兵ヘレンは410と低めだけどスピードで手数勝負だしこの中で個人戦闘力は最強でしょうし。アンネがパワーもHPも最強だけど、やや鈍重ではあるしヘレンと真剣勝負になったらそのスピードについていけないだろうなといった印象。そして後衛の虎獣人サーミャがHP547で意外と高いけど、これは野生で生きてきた底力か。とかなんとかパラメーターから妄想を広げるのが楽しい楽しい。何しろ依頼主からも「森の最強戦力」と太鼓判を押されている連中ですものな。あとヒーラーでも加わればさらに最強になりそうだけど。ともかく今回はこのSRPG風イラストだけで元を取れた気がするぐらい楽しめました。続刊も楽しみです。
2023/07/05
私の心はおじさんである
『私の心はおじさんである』、とりあえずカクヨム掲載分は読んだ。心を閉ざし気味に生きてきた40代の独身サラリーマン男性が、寝て起きたら銀髪巨乳のダークエルフになってファンタジーな森にいたという転生だか転移だかという話。超強力な魔法が使えて肉体もやたら頑丈で怪力というチートなのだけど、なにしろ平和な日本で喧嘩もしたことない人生だったので「突然の暴力」に対処できない。典型的なのが移動中に野盗の襲撃を受けたときで、パーティメンバーはさっと対処に動くけど咄嗟に動けずにいたら額に何かコンとぶつかるモノがあって見たら矢だったとか。他にも首を切りつけられても何かぶつかった程度にしか感じなかったり、魔物に腕を噛みつかれても食いちぎられずむしろ魔法の発動起点にして頭を吹き飛ばしたりとか。そんな頑丈チートなので、まだ物理的な傷を負ったことが無いんじゃないのかな。おそらく動体視力もチートになってるので、ちゃんと剣術とか習得すればそっちでも大成しそうだけど、魔法は習って覚えようとするけど物理戦闘はあまり好まないというか普通に殴るだけで無双はしてたり。もともと気が小さいのもあって日本でも争い事は好まずにいろいろ回避してきた人生だったので、異世界でも穏やかに生きたいんだけどそうもいかずにいろいろ巻き込まれてしまう珍道中といった感じ。書籍版も出ていて、主人公のイラストがなかなか美麗で好感です。コミカライズも進行中でしたっけ。
2023/04/14
おばちゃん(?)聖女、我が道を行く 書籍版
『おばちゃん(?)聖女、我が道を行く』、書籍版を読んだ。現代日本にて47歳で夫に看取られつつ病死した女性、異世界の神によりその世界の貴族令嬢として転生するはずだったのを同じ世界の別の国からの「聖女召喚」に魂を強奪されて無理矢理転移させられてしまったことから始まる物語。いきなりチートじゃなくて死にかけから始まり、なんとか逃げ出して徐々に自らのチートを把握していく過程が面白いです。
漫画版も2巻出ていて、漫画のほうを先に読んでから書籍版も読んだけど、きっちり同じところまでなんですね。書籍版のあとがきを読むにあまり続刊が出そうな感じでもないし、漫画版には原作者も漫画担当も、誰のあとがきも無い… コレってもうどちらにも続刊無いってことなんだろうか。結構好きなんだけどなあ。
特に独特なのはタイトルにも出ているように主人公が「おばちゃん」であることで、47歳の精神のままで転移しているので(神様のサービスで肉体は若返ってる)わりと落ち着いていること。そして上述もしてるけどいきなりチートで何でも解決というわけではなくて、緊迫の逃避行から始まって徐々にチートを使えるようになっていく過程ですね。しかしどんどんチートぶりが増強されていって、長い原作のうちにとんでもねえチートになり、やがて国家の存亡を揺るがすような存在に。いくつかスピンオフとして同じ世界の別主人公の物語も出ているのだけどその最終局面でちょっと顔出してはスパッと解決していったりもする。今作でも冒頭に緊迫の逃避行があったように、別作品でもそういった弱い主人公の窮地というのをよく描いている気がします。むしろそういうのを描きたいからスピンオフもやってるのかなと思うぐらい。とにかく漫画2巻は出たばかりなので続巻を期待したいところです。今は別作品の書籍化に向けた作業してるみたいだけど。こちらは現代社会と異世界を比較的自由に行き来できる話で、『おばちゃん聖女』ほどじゃないけどそれなりにチート持ちではある。こちらも作風は同様で好きです。
2023/02/25
山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~
『山、買いました ~異世界暮らしも悪くない~』、続編までとりあえず掲載分読了。他の人には認識できないトンネルを抜けた先の異世界、そこの山を購入して開拓して山暮らしをする話。スローライフ…というか結構忙しくしているのだけど、それだけでなくてあっちの世界でいろんなトラブルに巻き込まれて…といった感じ。まあでも開拓したり農業したりといった山暮らし描写がメインで、トラブル系は時折挟まれる感じです。こちら世界と自由に行き来は出来るので、たまに帰ってきてはホームセンターで爆買いしたりとか。主人公本人は戦闘能力はほぼ皆無なんだけど、周辺にどんどん強力な仲間が増えていくので生存の心配はほとんど無い感じで異世界ライフを楽しんでいます。トラブルの気配が漂ってくると、どんな風に蹴散らされてくれるんだろうかとかむしろ楽しみになっちゃうぐらい。あーでも序盤に出てくる現代社会のほうのトラブルはややウザいか。続編は継続中なのでまだまだ続きを読みたい。
スローライフ系だと『異世界のんびり農家』『鍛冶屋で始める異世界スローライフ』などありますが、スローライフ部分が続くとダレてくるというかもっとスリリングなシーンを早く読みたいなんて気分になりがちなのだけど、今作はどういうわけかスローライフ描写が続いても飽きずに楽しい感じ。何がどう違うのかはよく解らないんですが。
この作者さんは他にも多数書かれているようで、商業出版されてる作もあるみたい。でも今作は今のところ出てない模様。せっかく楽しめたのだから書籍化されてイラストとか漫画とかでビジュアルも見てみたいなあ。出たら全力で買いますよ。あとカクヨム掲載なんだけど、「なろう」にも併載だったかもしれない。ただ以前、カクヨムのほうだとページビューごとに僅かながらも筆者にお金が入るらしいと聞いて、好きな作なら支援にもなるのであればと併載してるならカクヨムのほうを読むようにしています。ページ内どこまで読んだかもカクヨムなら反映してくれたり、読了作は専用スペースに移動してくれたりといった機能が使いやすいというのもある。
2022/08/31
鍛冶スロ漫画3巻 & 最強宇宙船8巻
「鍛冶スロ」漫画3巻。貴族のお家騒動に巻き込まれる話。本筋はなかなかに重い話だけど、鍛冶屋スローライフ描写のほうがわりと軽い調子なので全体としてはさほど重い感じにはなってない。そして番外編として収録されている、サーミャ&リケが水浴びをするエピソードがweb連載でも見たんだけど大好き。さらに描き下ろしとして貴族家の過去話が載っているけど、コレって漫画担当氏の発案らしい。あとがきによると騒動の張本人となった貴族次男がひどくお気に入りになってしまったらしく、そこからの発案で原作者にも許諾取ったんだとか。そうなると上述の水浴びの話とかも漫画担当氏発案によるモノなんですかね。だとしたらかなり良い感じにキャラエピソードをふくらませている感じで非常に好感。
この作品、タイトルにもスローライフを掲げているようにわりと日常描写が多い。鍛冶仕事したり家を拡張したり。なので原作でそういう描写が続いていると退屈に感じてしまうこともあったりする。けど漫画だとそうでもないのはやっぱり絵柄が綺麗で美女美少女キャラがどんどん出てくるからか。特にサーミャとかコミカルな表情をよく見せてくれるし。これから女性陣がさらにどんどん増えていくんだけど、ビジュアルで言うと漫画版でも既に出ている傭兵ヘレンのビジュアルがちょっと意外ではあった。傭兵で喋りもガサツ気味なのでビジュアルもそういうイメージを想像していたらわりとスッキリしているというかそんな感じ。あと小説ではイラストが出ているアンネ、巨人族の血を引くので2mを越える長身で性格はぽやぽや(でも時折鋭い気配も放つ)というキャラも漫画でどう描かれるのか気になる。そして動物陣(こちらも全員雌だったりする)も漫画での登場が楽しみです。「精霊生活」や「リアデイル」もそうなんだけど、気に入った作の漫画版が好きなタッチで描かれると本当に嬉しい。
「最強宇宙船」8巻。クリス実家サイドからの依頼で惑星開拓の護衛に加わるあたり。テラフォーミングが完了して移民団が入植するのでそれを軍とともに傭兵団の一員として護衛する。それもまあ例によってトラブル続きで次々に巻き起こる騒動に対応して…といったいつもの流れ。今回は珍しくセレナ中佐の出番が多かった。今作における貴族はインプラントとかナノマシンとかで肉体強化をバッキバキにやっていて、常人をはるかに凌駕するパワーとスピードを持つのはもちろん、脳の処理能力も向上しているのでセレナなどは会話しながら普通に部隊指揮などもこなす。そして今作貴族を象徴するものとして帯剣があり、その強化された肉体により射撃も剣で防いだり打ち返したりするんだそうな。なので貴族を殺さず制圧するとなったら同等の戦闘能力を持った個人戦闘員による肉弾戦が必要ということで、主人公の出番となっていたり。そういう場にセレナとともに突入するというのが今回のクライマックスになってます。なにかと厄介な仕事を持ち込んでくるセレナなので作中では疫病神みたいな扱いもされてるけど、軍の中ではお役所仕事でいろいろストレスも多い模様。その流れで絡み酒してきて醜態をさらすというパターンも多発してるけど、今回はキリッとした軍人任務に終始してましたな。指揮官と最前線の斬り込み隊長を兼務するという実は凄い人なんである。わりとカッコ良かった。最後にちょっとアレでしたけど。
おおむねweb版と同様の流れだったと思うけど、いろいろ片付いてからクリスと開拓地見学するあたりが追加エピソードですかね?
そしてKindleだとよくあるんだけど、「異世界ウォーキング」の冒頭ちょびっとがお試し版としておまけコンテンツで掲載されていた。こちらはカクヨムなのね。
2022/05/29
「ご主人様とゆく異世界サバイバル!」完結
「ご主人様とゆく異世界サバイバル!」が完結してた。3月更新からしばらく間を置いていて、これはこの作者氏では出版向けの執筆作業があるとかでたびたびあることなので気にしてなかったけど、今気づいたら5月に3回更新してそれで完結となってた。不意打ちを食らった気分。5月更新に入った段階でその前からだいぶ年月が経過したことになっていて、すっかりまとめモードに。まあ考えてみたら周辺がいろいろ騒がしくても結局のところ主人公がその異能でぶっ飛ばせば全部片付くしそうやって進行してきたので、その繰り返しが作者側にも飽きがきちゃってたのかな。省略された長い月日を振り返ってアレもコレも面倒だったなあとか述懐してるけど、そういうぶっ飛ばしの詳細を見たかったなあというのが正直なところ。書籍出版は続くだろうからそのへんをもう少し語ってくれたりするのかな。いやどうだろうなあ…
とりあえず並行連載していた「最強宇宙船」のほうは続いているようで安心。とはいえ油断はできないが。これまで執筆休載とかはしばしばあったけど基本的に毎週更新してた作者氏なのだけど、新作とか書いてくれるのなら嬉しいけど。このままハイ終わり!とかなったら寂しい。
2022/05/27
帰宅途中で嫁と娘ができたんだけど、ドラゴンだった。
「帰宅途中で嫁と娘ができたんだけど、ドラゴンだった。」、タイトル通りの導入となる作。40年ぐらい前の「世界衝突」により、現代社会にファンタジーが融合してしまった世界。なので獣人とかモンスターとかドラゴンとかが普通にいる。融合当初は事故も悲劇も混乱もあったけど、とりあえず世間は落ち着きつつあるそうな。そんな中で主人公がドラゴン卵泥棒の追跡に加担したことから始まる話。作品世界ではドラゴンには女性しかおらずしかも人間形態(角・羽根・尻尾あり)を標準としていてドラゴン形態は力の消費が大きいとかで必要時しかやらない。なので産まれるのも当然娘のみ。だからといって同じ個体のクローンにはならないところはまあ我々の知る遺伝子とは異なる要素があるのでしょう。
で、今作の最大の魅力というのは間違いなくその娘達、双子の赤子の描写がものすごく愛らしく描かれていることでしょう。いきなり夜泣きに苦しめられたりとか噛み癖にやられたりといった苦労話も挟まれるけど、双子で非言語コミュニケーションをとる様子とか頼りなくふよふよ飛ぶ様子とかパパママに甘える様子とか、とにかく可愛い。主人公が膝に乗せているとあちこち掴んでよじ登ってきて、肩に乗ったところで母親であるヒロインが哺乳瓶持って入ってきたのを見てそれを目指して「だぁ!」と元気よく飛び立ったりとか。赤子でもドラゴンだけあって掴まれたり蹴られたりするとめっちゃ痛いらしい。肌の柔らかさやキャッキャ喜ぶ様子を堪能する入浴シーンも好き。主人公もトラブルに巻き込まれてるときに、さっさと片付けて俺は帰って双子と風呂に入るんだ!と内心言ってるぐらい。漫画でそのいろんな場面のビジュアルをもっともっと見たかったのだけど、漫画版も書籍版も、それぞれ2巻で刊行終了となっている模様。この刊行終了により作者氏のモチベーション低下が激しいようで、2017~2019年までに190話ぐらい公開していたのが翌2020年に1話、昨年2021年に5話、そして今年は3月の1話のみの更新。先が気になる展開になっているので更新が待たれるところではあるけど、更新の意図を信じてこればかりは待つしかない。
育児要素だけでなく徐々にスケールの広がっていくファンタジー要素もなかなか面白く、それなりに殺伐としてるところもある。そして個人的に感じる難点を挙げるとすれば、「めんどくさい」「回りくどい」と感じる点が散見されることだろうか。ウザ絡みをしてくる人物が出てきて、ぶつかり合ううちに理解が進んで無二の仲間になるなんて展開はまあよくある話なんですが、ウザ絡みがウザすぎる印象が拭えない。コレはまあ個人の耐性もあるだろうし私がそれについて低めなのも否定しませんが。あと主人公がやたらとバカと言われるバカ設定で、世界への理解も乏しいからと周囲からの言葉を借りて設定説明がしばしば入るのは良いのだけど、その辺もいささかウザい。世界実態とか竜の生態とかに詳しい「鼠の賢者」が出てくるのだけど、そいつがまた主人公をいちいちバカにしつつ世界を語るのである。ナレーション的に世界設定を語るような形式だと面白くないのかもしれないけど。どうにもいろんな面で回りくどい印象があり、話がなかなか進まないのがもどかしいことがしばしば。育児要素にたどり着く前にウザ要素で忌避されることも少なくないのではなかろうか。…実際、正直言うと私自身もだいぶ前に冒頭をいくらか読んでいたのだけどすぐに離れていたという過去があります。今回漫画広告でも見たんだろうか、改めて読み直して見たら育児要素の魅力にハマった感じ。ある程度読み進むとウザ要素もそれなりに慣れてくる?感じにはなりましたが。しかしあらためて書籍版を購入して読んでみると、ウザ要素が気になって気になって… とりあえず現状はweb版の更新を待つのみです。