chaba log2

2011/09/03

ソードアート・オンライン

カテゴリー: 読書 — タグ: — chaba @ 18:36

2巻まで読んでみました。MMORPG、それも全身全感覚で仮想空間に没入するといういわば映画マトリックスのように仮想空間内で展開されるゲームが舞台です。しかも創造者の悪意によりプレイヤー1万人がゲーム内に囚われた状態になり、ゲーム内の死がプレイヤー自身の死に繋がるという設定。
世界は10kmほどの円盤の上に構築されていて、それが100層ほど重なっている構造。各層は1カ所だけの階段で繋がっており、それはモンスターひしめく迷宮エリア内に設置されています。そしてその階段の前には当然のようにボスモンスターがおり、それを倒さないと上層には登れない。誰かが一度登れば転移ゲートが設けられるので順次登っていき、そうやって最上階までクリアすれば晴れてプレイヤーは現実世界に解放される…という。

ネタバレ書きそうなのでいちおう伏せてみる。

こういう殺伐とした世界なのでプレイヤーの選択もそれぞれで、最初の街から一歩も出ずになんとか日々をやり過ごしている層も少なくない。一部は熱心に攻略を進めており、物語開始時点では最前線が74層まで登っている状態です。これはクリアして外に出るというモチベーションもあるだろうけど、実際のMMORPGでもそうであるようにバトルジャンキーが熱心になっている面も。主人公もそんなトッププレイヤーの1人で、パーティプレイだと生存率は高まるけど効率が良くないのを嫌って基本ソロで進めている人物です。ソロを通しているのはコミュニケーションがリアルでもゲームでも苦手…と言いつつ、えらくモテるんですがこの人。めちゃくちゃ強いというのが基本にあるとはいえ、女性プレイヤーと軽妙に語る姿にはコミュニケーションに問題があるようにも見えない。…なおこのゲーム、開始時点では一般的にあるように容姿を自由に設定できたのだけど、囚われのデスゲーム開始時点で顔や背格好といった容姿がリアル本人をスキャンしたものにされているという凶悪設定w 本文でもちらっと描写されてるけど、これネカマやってたら悲惨だよな…普通のアーマーとかならいいけど可愛いミニスカートとか女の子女の子した格好してたら中身がオッサンになったりしたらもう目も当てられないっていうか見たくない。そしてリアルが反映されるので男女比も極端に偏っており、しかし何故か主人公は次々に女性と出会うのだ。1巻はいわばRPGにおけるメインシナリオ、2巻はサブクエストみたいに短編集になっています。なので1巻はメインヒロイン中心だけど、2巻ではそれぞれ魅力的な女性たちとのエピソードになってるぞこの野郎。
この物語、基本的に死がそこにある殺伐とした感じだし悪人もあちこちに出てきますが、しかしヒロインとのやりとりとか日常描写はやたら軽いです。いわゆるラノベっぽい軽さ。当初はその軽さと世界の殺伐さのギャップに違和感もあったけど、何度も気に入ったシーンを読み返すうちにこれもアリかなあと思えるようになってきました。ていうか軽いシーンが結構好きです。普段の殺伐があるからこそ軽いシーンのニヤニヤ笑いにも繋がるものがあるのかなと。
ゲームシステム的にもいろいろ細かく設定されているところが面白くて、例えばFF11でいうところのWS、武器固有の必殺技的なものも実装されています。その発動というのが固有のモーションをつけるということで、習得してスロットに設定していたスキルに定義されたモーションをなぞると発動するとか。一度発動すると本人が肉体を動かす必要もなくなり、システムが連続技なら連続技をたたき込んでくれるんだとか。それも普通に攻撃するより正確で速くダメージも上乗せされるので、戦闘シーンはいろいろ派手な技が飛び交うようです。しかも技に沿っていろいろエフェクトも出るみたいだし。これ、痴話喧嘩の最中にエフェクトをちらつかせて相手を焦らせるなんていう描写もあったり。あとPK上等だけど町中ではDUEL以外での攻撃は不可だとか、占有する建物の入り口から先は所有者の許可がないと立ち入れないとか、建造物やNPCは破壊不可というか干渉不可だったりとかいろいろ。メインメニューも指先の仕草で出すことができて、基本他人には不可視(可視設定も可能)というのもなるほどです。あと持ち物は基本的に一覧に出るだけなんだけど、実際に使うときはメニューから実体化して持っておくというのも面白いですね。例えば戦闘前に回復薬や緊急離脱用のゲートクリスタルなどを実体化して所持しておいて、いざというときにすぐ使えるようにしておいたりとか。武器に「重さ」があって、レベルアップに伴う筋力強化により重い(=ダメージ大きい)武器が扱えるようになり、つまりレベル低いうちは上位レベルの武器がまともに扱えないということにも説得力を与えています。
そして世界には、クリア目指して命がけの攻略を続けるトッププレイヤーたちと最初の街から一歩も出ないプレイヤーたち以外にも、その中間で安全をできるだけ確保しつつバトルや生産といった生活を楽しむような層もいて、彼らの一部が2巻で描写されていたりします。様々な人々との出会いと別れ、中には主人公に重くのしかかり続けるエピソードもありますが、MMORPGの世界をうまく生かした物語じゃないかなという印象です。
3巻以降はまた別のエピソードに突入するみたいですが、あまり書店でみかけないのでamazon待ちだったり。最新刊らしい8巻が平積みされているところはあったんだけど、そこはそこまでの刊がすさまじくバラバラだったので買う気になれず。…なれなかったんだけど、ついつい8巻の最初をぺらっとめくってみたら冒頭のカラーイラストで「!?」となってしまった。いきなりネタバレというか、あれそうなってるの!?状態に。頑張ってそのシーンまでたどり着こうと思います…

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