chaba log2

2013/08/04

ノーゲーム・ノーライフ

カテゴリー: ライトノベル, 読書 — タグ: — chaba @ 04:27

「ノーゲーム・ノーライフ」3巻まで読んでみた。これまた「ファンタジー世界に行ってみたら最強だった」系ですが、ヒーロー文庫ではありません。しかし主人公や世界の背景がちと異なっていて、主人公はヒキコモリのゲーマー兄妹。あまりに頭脳明晰ゆえに世間から疎まれた妹と、あまりに他人の感情を読むことに長けすぎて世間から遠ざかった兄。世の中とうまく折り合いがつけられない兄妹は2人一緒にいることで最強ゲーマーとして名をはせていたが逆に1人では何もできない。そんな2人が異世界の神から「産まれるところを間違った」と引き寄せられて新たなる地へ。そこは神の意志により直接的な殺傷(=戦争も含む)が禁じられ、領地や人権など全てがゲームというかギャンブルで決められる世界だった…といった話。
そんなわけでいろんなゲーム、トランプやコイントスや、果ては「あの角から出てくる男女どっちが多いか」などといったものまで様々な題材で勝負が繰り広げられます。しまいにはテレビゲームも出てきてテクノロジーがどうなってるのかいまいちわからんのは余談。そこに賭けられるのも様々。全財産だったりプレイヤーの人権だったり女の子のパンツだったり。…そう、主人公の兄の方がわりと下衆なのでというかライトノベルにありがちというか、バカエロな展開も多いです。でもまあまだバカも耐えられるレベル。それよりも追い詰められた人類の領地を取り返すための命がけのバトルの数々がなかなか凄まじい。互いに手を読みに読んで追い詰められつつも最後に鮮やかに逆転してみせるのは痛快だけど、しかしいろいろ突っ込みどこももありそうに思えるのだけど私の頭脳では追いつかない。穴に気づけないのでわーすごいなーと普通に読んでいます。こういう頭脳戦描写って正直苦手だったりもする。いまいち追いつけないのでどこがすごいのかもピンと来なかったりとか。デスノート読んでたときもそうだったな。まあでもバトルは熱いし、勝利することで領地拡大とともに味方もどんどん増やしていくところは王道か。
ちなみに3冊ともiPadのKindleで読んでました。そろそろ本買うのも限界になってきた気がする。いーかげん処分しないとね… 4巻はこの6月に出たばかりのようで、まだKindle化はされてない模様。いちおう3巻までで一区切りみたいな感じにはなっています。

いろいろキャラも登場するけど、個人的に気に入っているというか気になっているのがステフ嬢。王家の血筋で本来なら女王になっている立場なのだけど、先王である彼女の祖父の遺言により次の王は「人類最強のギャンブラー」に決めることになっていて、主人公が降臨した地ではまさにその新王決定戦がそこらじゅうで開催中。そこら中で野良バトルをやって、最終的に誰も挑戦者がいなくなるまで勝ち残った者が新王になるというルール。ステフもいち挑戦者として挑んでいたのだけどイカサマに負けていたところに主人公と出会い、そこからその快進撃?につきあわされる羽目に。しかしヒロインの1人とは言いがたいような扱いで、パンツとられたり犬扱いされたり、しまいには王となった主人公の代わりに実際の政務を丸投げされて取り仕切ったり。まあ本来女王となる人だったので教養もあるしそのへんはあるべき立場かもしれないけど、ほとんど使用人扱い。しかも次第に国が勢力拡大していくので執務も大変そう。さらに主人公のバトルにはいつもつきあわされるのだけど、だいたいオチの役回りでひどい目に。それでも勝負を決めるような超重要なポジションに(主人公の策略により)なったりもして、翻弄されっぱなし。3巻でなんか有能そうな人物が味方に取り込まれるので執政のほうは少し手伝ってもらえそうだけど、今後もステフ嬢の受難は続くのか目が離せません。

2013/07/09

ネクストライフ

カテゴリー: ライトノベル — タグ: — chaba @ 05:44

「ネクストライフ」読んだ。これまたヒーロー文庫で、例によって「平凡な主人公が突然ファンタジー世界に入り込んで最強になる」系。現実世界で遭難死したら、自分がMMORPGで育てたキャラになっていたというのが独特なところでしょうか。同じくヒーロー文庫の「ナイツ&マジック」でも主人公は死んで転生してたけど、あちらは誕生から始まっていたけどこちらはいきなり最強キャラなのである。何故最強なのかというと、主人公がプレイ中のMMORPGでトップクラスの魔法使いとなるまでキャラを育てていたから。この魔法によりかの世界で生きて行こうとするのだけど、ゲームと同じ魔法が使えるにしてもゲームと実際の詠唱とは使い勝手の違うところがあるようで。魔法使いなら誰でも使える基礎的な低級魔法「ファイヤ」が、主人公クラスになると手のひらサイズから巨大な火球まで様々な強さのものを出せるらしい。しかし最初はその加減に戸惑っていたり。あとキャラ自体は外見から習得魔法までゲームそのままみたいだけど、主人公が光臨したところはゲーム内で覚えのない地域らしい。なのでゲーム内に入り込んでしまったのかどうか今のところ判別が付かない様子。

とりあえず以下ネタバレ。

(続きを読む…)

2013/06/19

ナイツ&マジック

カテゴリー: ライトノベル, 読書 — タグ: — chaba @ 04:23

「ナイツ&マジック」2巻まで読んでみた。これもまたヒーロー文庫なんですが、同文庫というと

「理想のヒモ生活」:平凡なサラリーマンが突然ファンタジー世界の巨乳女王に召喚されて子づくりする話
「竜殺しの過ごす日々」:平凡な高校生が突然ファンタジー世界に入り込んで最強戦士として大活躍する話
「異世界迷宮でハーレムを」:平凡な高校生が突然ファンタジー世界に入り込んで美少女奴隷を買う話

といった感じで、平凡な主人公が突然ファンタジー世界に入り込んでヒーローになる、というのを信条としている文庫なんですかね。まあヒーローといってもバトルヒーローとは限らなくて、「ヒモ生活」だと知識で活躍してる感じですけど。
その流れで行くと今作は「有能プログラマーな主人公が突然事故死したらファンタジー世界に生まれ変わって魔法ロボで大活躍」といったところか。これまでの作がやたら主人公の平凡なところを強調してたのだけど、今作だと冒頭にソフトウェア企業のデスマーチを華麗にさばいて見せるところが出てきて有能っぷりをアピールして、メカフェチなのでその残業代はロボットのプラモデルにつぎ込んでいる…というところを見せていきなり事故死。生まれ変わってみたら魔法でロボを動かしているファンタジー世界で、前世の記憶を取り戻してからはロボに乗るために修練に励む。剣術指導者の父と魔法指導者の血を持つ母のもとに産まれたことも幸運だったのでしょうね。そして自身のプログラミングスキルが最大の武器となり、なんかロボを動かすための魔法システムがOS上でプログラムを動かす構成に酷似してるらしく、その魔法スクリプトを「自分で記述して」動かすというかの世界では前代未聞なことをやってのけるあたりが最強みたい。子供らしからぬ学業訓練熱心ぶりでめきめきロボ操縦者への道を歩むのだけど、母親に似て小柄なのでどうもこのままではコクピットのサイズに合わないので操縦者としての資格に満たないかもしれない、なんてことになる。さてこれをどうするかというのも見どころです。
そもそも身長10mほどのロボット兵器が何故必要なのかというと、大小様々なモンスターが出るのだ。主人公が生まれ落ちた国はモンスター領域に突き出した人類の防波堤みたいな国(なんか「進撃の巨人」をイメージするけど)で、モンスターの脅威に対応するために特にロボ兵器が発達している。モンスターは小さいので小動物ぐらいから、大きいのは数十メートルクラスまでいろいろいる。で学校にもその操縦士や整備士の育成のための学科があって、主人公はそこに通う学生。…と言っても2巻段階でまだ中学生レベルだっけ。それでも幼少時から父母に習い書籍を読み込んでいろいろ実践して鍛えまくってきてるので子供レベルじゃなく、しかも常識はずれな新型ロボを提案したりして周囲を驚かせるのはいささか痛快だったりも。
モンスターとのバトルは激しくてNPC的なキャラが死ぬところもあったりでなかなかハードなのだけど、しかし主人公がとにかくロボを設計し作り上げて操縦するということに喜びを感じまくるメカフェチなので、妙に軽さもあったりします。敵に追い込まれる状況にも燃えるというより萌えてたりとか。その常識はずれな大活躍ぶりはなかなか痛快。1巻は邪魔する奴をばったんばったんなぎ倒す感じで進行しますが、2巻はちょっと不穏な展開にも。今後の話の流れも気になる感じになってます。痛快ロボバトルを欲する向きにはいいんじゃないでしょうか。

2013/06/01

竜殺しの過ごす日々 〜#6

カテゴリー: ライトノベル — タグ: — chaba @ 05:26

「平凡な男子高校生が突然ファンタジー世界に放り出されたら最強になってて大活躍」系ラノベ、6巻まで読んだ。なんかもうずっと諸国漫遊記みたいになってて、行く先々で様々なトラブルや困りごと相談に出くわしてはその最強ぶりをいかんなく発揮してクリアして行く流れ。その諸国めぐりがなかなか個性的な地域も多くて結構面白かったりもする。和風文化の国があったりアンデッド(と呼ばれるのは嫌うらしい)国があったり差別対象な獣人の隠れ里があったり。しかしいろんな国や町でいろんな人々と出会うのはいいんだけど、基本全部カタカナなのでぱっと見で把握しづらいのが難点。地図とか出てきたのも序盤だけだし。…私だけ?
主人公が最強なのは相変わらずなのだけど、5巻あたりからわりと苦戦する流れも出てくる。この6巻でも苦戦してるし。あと独特だなと思うのが恋愛描写で、例によって美女・美少女が寄ってくるハーレム状態なのはありがちなんだけど主人公からは恋愛モードにはならない。これは単なる朴念仁なのかと思ってたら、いずれ日本に帰りたい(今のところ帰還方法は不明)のでそういうことを意識的にさけているという描写があった。ついでに身近な女性たちにそっち方面を刺激されることも無いわけではないので、隠れてこっそり発散させているという明示が6巻にして初めて出てきた気がする。最初に出会った女性がいかにもヒロイン然としていたので恋愛展開になるんだろうと思ってたら全くそういう気配無くて後に出会った貴族と結婚しちゃうのは少々面食らった。でもお互いに姉弟のような親密さは抱いているという関係はちょっと暖かいものも感じます。
徐々に不穏な空気も醸しつつ、諸国漫遊がこの先どうなるかも楽しみです。

2013/05/08

竜殺しの過ごす日々

カテゴリー: ライトノベル — タグ: — chaba @ 18:29

「竜殺しの過ごす日々」読んでみた。ある日突然異世界に紛れ込んだ男子高校生が、いろいろ偶然が重なってその世界で恐れられている竜を殺してしまったために起こる騒動。かの世界では殺した相手の能力を吸収してしまうために超人的な能力を手に入れてしまう。その能力や出会った人々の協力で過ごす日々。
最近この手のファンタジー系で散見されるのが、ゲーム的な設定である。この話でも魔法盤により個人の各種能力が参照できるのだけど、A〜Eの表記で能力が示されるってまさにゲームっぽい。ついでに「ギフト」や「称号」といった固有属性も付いてたりして、それらが総合的に個人の能力を示している。まあ私も含めて、いまどきの世代ってのはファンタジーというとまずゲームで触れるというのも一般的なんでしょうね。何よりパラメータが目に見えるというのは明快で説明しやすいし。今作でもその主人公の能力の異様さを示すのに一役買っています。
異世界冒険といった殺伐としたイメージはあまり無くて、タイトル通りに日々をわりと淡々と送っている感じ。最初に出会った人たちから現地で生きるための日常生活の基礎や魔法や戦闘技術を教わって、それから町に出てギルドに入って依頼をこなして(ギルドで依頼を、ってのもゲームっぽい)…まあ冒頭から強大な竜を倒してしまったりとか、途中でも普通の冒険者では太刀打ちできないような敵を退けちゃったりもしてますが。基本、圧倒的な強さで普通の冒険者は毛嫌いするような雑用(邪魔な巨石を移動してくれとか)をあっさり片付けて行く感じ。戦闘依頼だと他の冒険者に迷惑だよなーと雑用ばかりやる遠慮っぷりは日本人らしいところか。まあ竜殺しとしての実力をあまり知られたくないという事情もあるけど。
いろいろやって日々を過ごして、いろいろ伏線も撒きつつ次巻に続く感じです。妙に爽やかささえ漂わせつつ終わる。ヒロイン候補っぽい女性キャラも複数出てきますが、今のところ恋愛要素は無し。いろいろフラグは立ちかけてる気もするが。わりと好感なので続きも読んでみたい。なんだかんだでこの、いきなり異世界に行ってヒーローになっちゃう御都合主義的な話ってのも好きなのかもしれん。「理想のヒモ生活」もそれ系ですし、って同じ文庫だった。

2013/05/02

クロックワーク・プラネット

カテゴリー: ライトノベル, 読書 — タグ: — chaba @ 17:48

「クロックワーク・プラネット」読んだ。たまたま書店で見かけてほとんど表紙買い。事前情報全くなしの出会いというと「スワロウテイル」シリーズもそうだったけど、これもなかなかの当たりでした。なかなか直感も侮れない。
地球が「死んで」あらゆる活動を停止、それをとある大天才が歯車仕掛けで復活させてから1000年後という世界。そこらじゅうに歯車が回っているという世界はゲームの「EOE」を連想しますけど、EOEをちゃんとやってないので世界観の類似・相違点は指摘できない。歯車世界なので維持管理のために「時計技師」が活躍している。そんな世界で何でも聞き分けてしまう異常聴覚の持ち主を主人公として、これまた歯車仕掛けで1000年前の天才が創った(機能停止してたのを主人公がその聴覚により異常を探り当てて修理した)という美少女アンドロイドと超天才の美少女時計技師とそのボディーガードの4人がメインキャスト。
全体の流れとしてはシステムの異常により都市が陥った危機に立ち向かうといったところですが、そういったハードなストーリーなのにそこかしこで馬鹿騒ぎをやってるところがラノベらしいというか。主人公が病的なメカフェチでいろいろ大変。冒頭のシーンの馬鹿騒ぎっぷりには読むの辞めようかとも思いましたが。でも話自体はなかなか緊迫するところもあるのでまあ馬鹿騒ぎもなんとか耐えられました。この4月に刊行されたばかりのようですが、これからシリーズが続くなら主人公を巡ってアンドロイドと天才少女の鞘当てになるんですかねえ。今後の展開も期待したい。
…しかしコレ、刊行を重ねるといかにもアニメ化とかしやすそうな題材に思える。でもコレがアニメ化されると馬鹿騒ぎのバカっぷりが非常にウザいことになりそうだ…

2013/04/26

理想のヒモ生活#3

カテゴリー: ライトノベル — タグ: — chaba @ 20:42

「理想のヒモ生活」3巻読んだ。主人公・善次郎が、ファンタジー世界の女王・アウラから婿として召喚されてかの地で生きる物語。相変わらず、ヒモと言いつついろいろ忙しそうにしています。

また例によって以下全力でネタバレ。

1巻ではわりと目立っていた気もする微エロ描写がどんどん薄れて行って、国内外の様々な思惑とか世界情勢にいろいろ巻き込まれて行く感じ。次巻では他国の王子王女が(主に善次郎がどんな奴かを見定めるために)乗り込んでくるような流れになっていたり、今作で野良ドラゴン討伐に配下領主が失敗したのを巻き返しに行くであろう権力欲旺盛な将軍の動向も気になったりでいろいろ気になる要素をてんこ盛りにして次巻に続いております。
今巻では2巻で誕生した王子をめぐるあれこれやら、善次郎がもたらした技術革新の萌芽などが印象的。かの地には存在しないガラスを再現すべく鍛冶職人を集めるなどいろいろ他にも実験をやらせるのだけど、さっそく王国経済に貢献しそうなものも出てきたりする。それらの功績は善次郎のものなのに表向きは全て女王の発案としておかなければならないのがアウラとしても心苦しいところ。なにしろ下手に善次郎が目立ってしまうと、その威光を取り込もうと国内外の勢力が手を替え品を替え押し掛けてくるのは目に見えているのだ。今でさえ側室志望者を抑えるのに必死なのに(とある事情により側室が取れない&善次郎がそもそも妻アウラ以外眼中に無い)。
次巻以降の展開も気になるところです。

2013/04/24

「理想のヒモ生活」

カテゴリー: ライトノベル — タグ: — chaba @ 06:09

分類としてはラノベになると思う、「理想のヒモ生活」2巻まで読んでみた。とんでもないタイトルだが、だいたいそんな感じ。現代日本からファンタジー世界に突然召還された主人公が、巨乳美女な女王から婿になることを求められる話。異文化交流な感じがなかなか面白いです。

以下全力でネタバレ。

そもそも何故またわざわざ婿を異世界から召還しないといけないかというと、かの世界は長らくの戦乱がようやく収まったところで王家の血筋が絶えかけてるんだとか。それで唯一生き残ったヒロインが女王として統治しているのだけど、血筋を絶やすわけにいかないので結婚が急務。しかし男性上位の世界で下手に有力貴族などから婿を迎えると女王派と婿派で内乱になることが目に見えているので、できるだけそういう地縁や野心からほど遠い者がふさわしい。そして願わくば王家の血筋を引いている者…ということで異世界にその条件づけして召還をかけたらコンビニ弁当をぶらさげて自転車を押した主人公がいきなり呼ばれたという次第。
この血筋の重要性というのがまたユニークで、王家にはそれぞれ固有の魔法を使える特質があるらしい。主人公が呼ばれた国は時空魔法を持っていて、異世界からの召還もその一環。他には瞬間移動にも使えるみたい。他国では治癒魔法とか付与魔法とか、とにかくそれぞれ固有の魔法能力を王家の血が持っていて、それにより経済的な利益を得たり戦争での武力になったりで、国力の基礎としてきわめて重要なんだとか。魔法そのものは一般的な技能で誰でも修練を積めば使えるようになるが、個人の魔力には差があり、王家魔法はその血がないと能力を発現しない。つまり解釈を加えるなら、固有の遺伝子を持っていると特殊能力が発現して、そういう能力を持った一族が各地で繁栄を得て王家として今に至るという流れなのかも。従って結婚により一族の人数そのものを増やすことが急がれている。そして何故主人公が異世界の王家の血筋を持っているのかというと、150年ぐらい前になんかゴタゴタがあってそこの王子が時空魔法により現代日本に駆け落ちしてきたらしく、主人公はその末裔にあたるらしい。

…とまあこういう背景で進行する物語なのだけど、1巻はその異文化交流的な流れがメイン。社畜として日常に疲れていた主人公は考えた末に異世界への婿入りを決意、しかしかの地は中世風の文明レベルでまだ電気も無くしかもわりと暑い。なのでなんとか発電機と冷蔵庫やエアコンを持ち込まなければと四苦八苦してみたりする。さらには何となく持ち込んだビー玉やチョコレートなどが非常に珍重されるなど、文明格差を味わうところがしばしば。しかしこの文明格差、持ち込んだ物がことごとく貴重品になるのなら得意の時空魔法でもっといろいろ輸入しそうなものだけど、そのへんは矜持というものがあるのかな。あと異世界をつなぐのには星の配置とかも重要で、主人公初召還時には1ヶ月後にまたタイミングが合うのでそのときまでに準備してくれという流れだった(その間に発電機を用意したり身辺整理とかやった)けど、その後は30年ほど機会が来ないらしい。だからそれこそ王家の婿探しとか駆け落ちとか、異例の重要事態にしか利用しないってことなのかも?
で、新婚さんで子づくりも重要な課題だけあってか、わりとそっち方面の描写も出てきます。とはいえそのものの描写をじっくりやるわけでもなく、事前事後といった感じで、ちゃんとやることやってますよ的な。そして2巻最後にはついに王子誕生というイベントも。3巻以降はこの王子を巡るいろいろもありそうだな。
1巻では異文化交流とか夫婦交流とかが主体で、そもそも政治的には何もしないことが求められている主人公だからそれをいいことにほとんど王宮に引きこもってます。でも2巻になるとそういうわけにもいかなくて、特にヒロインが妊娠して公務に支障を来す状況になってくると代理で外に顔を出すことも。もちろん重要な交渉ごととかではなく、座っているだけでいいような公務など。そんな中でも王家の代表ではなくあくまで女王の名代だということを強調したり、権利欲をうかがわせたり有力者らに付け入る隙を与えないために側室の受け入れを拒否するなど、いろいろ涙ぐましい努力も見せています。主人公は立場上引きこもっているけどももともと営業職なので対外接触は苦手でもなく、そのへんのなかなかの頭の切れを見せてくれたりも。
ちなみにヒロインは巨乳美女なんだけど女王をやるだけあって毅然とした女傑のイメージで、戦士としても男性に引けを取らないらしい。かの地は男性上位の社会なので何事にも控えめな女性が好まれ、権力欲以外で婿になろうという男性はなかなかいなんだとか。そんなヒロインが、当初はあくまで王家のため国のためにという印象が強い結婚のイメージだったけど、徐々に主人公の誠実さに惚れ込んで行く様も魅力的だったり。
王家の維持のためには側室を取るのも当然となるのだけど、主人公が自らその気が無いのに加えて側室を取れない事情も2巻で発覚してきたりします。ほのぼのイメージの強かった1巻と比べて2巻では国内外からの権力への干渉が徐々に顕在化していく印象で、しかし王子も得て家族としての絆も強まって行く印象もあり、なんかこの一家を応援したくなる感じ。ヒモ生活といいつつなかなか婿殿も忙しいですw
これ表紙イラストもいかにもセクシー美女なイメージですが、1巻だとセクシークールビューティな感じだけど2巻以降は優しさもうかがえるのが印象的。

2013/04/12

電撃文庫MAGAZINE#31

カテゴリー: ライトノベル — タグ: — chaba @ 20:45

dengeki31

電撃文庫MAGAZINE#31買った。付録にAW&SAO特別冊子ほか。この冊子、通常連載のコミック類以外にも両作アニメ監督と川原氏の対談や、SAO短編など収録。コミックもAWの人のほうが「バーサス」を描いてました(今回は遭遇までで、まだ続く模様)。あとSAOコミックのほうはALOでサラマンダー襲撃のあたり。で、この冊子の中に先日話題にもなっていたMORE DEBANズ(+1)の新作コミックの告知も。
…で、肝心のSAO新刊が売ってなかったああああぁぁぁあぁぁあぁ。ていうか見事に売り切れていて、ラノベ新刊を並べる平台にぽっかり深い「穴」が空いてました。どう見てもここにSAOが積んであったんだなと。いやはや、SAO人気恐るべし。ていうか10日発売なのは解ってたけど、まあどうせ2〜3日遅れるしーとのんきに構えていたのが甘かった。以前に10日発売で10日に既に店頭で見た(そして買った)ことが過去にあるんだよなあ… 何故今回は余裕こいてたのか。あまりにくやしいので思わずamazonに発注。
今回の短編もそのうちどこかに収録されるのかな。でもプログレッシブの範囲内じゃないし。とりあえず次号のMORE DEBANコミックが楽しみです。プログレッシブのほうも見てみたいけど、それだけ見るために別雑誌買うのもなあ。単行本を待つか。

2013/02/15

アクセルワールド13

カテゴリー: ライトノベル — タグ: — chaba @ 04:32

AW原作13巻読んだ。前巻の引きからのアクアカレントとの再会に始まって、領土戦とか学園祭とかISSキットとか。そしてさあ激戦へ向かうぞ!というところで次巻に続く。あとがきによるとこの「メタトロン攻略編」は次巻で完結予定、らしい。けどいつも筆が走りまくってしまう作者のことだからどうなることやら。なにしろ大きなバトルを2つ連続でやるぞということになってるし、完結というならウルフラムとかISSに関わるキャラとの絡みもいくらか決着つけないといかんでしょうし。1冊で収まるんかいな。
AWというとギャグテイストと内面をじりじり削るような陰謀とが交互に出てきてアップダウンが激しい作ですが、今回わりと前者が多め…というか、ほっとする日常描写が多めな印象。能美編とか後者ばかりできつかったですけど。表紙になっているニコの苦悩とか、(短いけど)レイカー師匠の鋭いバトルとかも描写されてるし、見所いろいろです。
そして巻末広告によると次は4/10のSAO次巻、アリシゼーションの続きらしい。まだサブタイトルも決まってないっぽいな。

« 新しい投稿古い投稿 »

Powered by WordPress