なんと完結。11巻というわりと中途半端な巻数ですが。
これまでもずっとダイジェスト的というか、あまり細かく語らずにざーっと流すような語り口でしたが、今回もそんな感じ。
以下ネタバレ。
2014/02/14
竜殺しの過ごす日々11
2013/06/01
竜殺しの過ごす日々 〜#6
「平凡な男子高校生が突然ファンタジー世界に放り出されたら最強になってて大活躍」系ラノベ、6巻まで読んだ。なんかもうずっと諸国漫遊記みたいになってて、行く先々で様々なトラブルや困りごと相談に出くわしてはその最強ぶりをいかんなく発揮してクリアして行く流れ。その諸国めぐりがなかなか個性的な地域も多くて結構面白かったりもする。和風文化の国があったりアンデッド(と呼ばれるのは嫌うらしい)国があったり差別対象な獣人の隠れ里があったり。しかしいろんな国や町でいろんな人々と出会うのはいいんだけど、基本全部カタカナなのでぱっと見で把握しづらいのが難点。地図とか出てきたのも序盤だけだし。…私だけ?
主人公が最強なのは相変わらずなのだけど、5巻あたりからわりと苦戦する流れも出てくる。この6巻でも苦戦してるし。あと独特だなと思うのが恋愛描写で、例によって美女・美少女が寄ってくるハーレム状態なのはありがちなんだけど主人公からは恋愛モードにはならない。これは単なる朴念仁なのかと思ってたら、いずれ日本に帰りたい(今のところ帰還方法は不明)のでそういうことを意識的にさけているという描写があった。ついでに身近な女性たちにそっち方面を刺激されることも無いわけではないので、隠れてこっそり発散させているという明示が6巻にして初めて出てきた気がする。最初に出会った女性がいかにもヒロイン然としていたので恋愛展開になるんだろうと思ってたら全くそういう気配無くて後に出会った貴族と結婚しちゃうのは少々面食らった。でもお互いに姉弟のような親密さは抱いているという関係はちょっと暖かいものも感じます。
徐々に不穏な空気も醸しつつ、諸国漫遊がこの先どうなるかも楽しみです。
2013/05/08
竜殺しの過ごす日々
「竜殺しの過ごす日々」読んでみた。ある日突然異世界に紛れ込んだ男子高校生が、いろいろ偶然が重なってその世界で恐れられている竜を殺してしまったために起こる騒動。かの世界では殺した相手の能力を吸収してしまうために超人的な能力を手に入れてしまう。その能力や出会った人々の協力で過ごす日々。
最近この手のファンタジー系で散見されるのが、ゲーム的な設定である。この話でも魔法盤により個人の各種能力が参照できるのだけど、A〜Eの表記で能力が示されるってまさにゲームっぽい。ついでに「ギフト」や「称号」といった固有属性も付いてたりして、それらが総合的に個人の能力を示している。まあ私も含めて、いまどきの世代ってのはファンタジーというとまずゲームで触れるというのも一般的なんでしょうね。何よりパラメータが目に見えるというのは明快で説明しやすいし。今作でもその主人公の能力の異様さを示すのに一役買っています。
異世界冒険といった殺伐としたイメージはあまり無くて、タイトル通りに日々をわりと淡々と送っている感じ。最初に出会った人たちから現地で生きるための日常生活の基礎や魔法や戦闘技術を教わって、それから町に出てギルドに入って依頼をこなして(ギルドで依頼を、ってのもゲームっぽい)…まあ冒頭から強大な竜を倒してしまったりとか、途中でも普通の冒険者では太刀打ちできないような敵を退けちゃったりもしてますが。基本、圧倒的な強さで普通の冒険者は毛嫌いするような雑用(邪魔な巨石を移動してくれとか)をあっさり片付けて行く感じ。戦闘依頼だと他の冒険者に迷惑だよなーと雑用ばかりやる遠慮っぷりは日本人らしいところか。まあ竜殺しとしての実力をあまり知られたくないという事情もあるけど。
いろいろやって日々を過ごして、いろいろ伏線も撒きつつ次巻に続く感じです。妙に爽やかささえ漂わせつつ終わる。ヒロイン候補っぽい女性キャラも複数出てきますが、今のところ恋愛要素は無し。いろいろフラグは立ちかけてる気もするが。わりと好感なので続きも読んでみたい。なんだかんだでこの、いきなり異世界に行ってヒーローになっちゃう御都合主義的な話ってのも好きなのかもしれん。「理想のヒモ生活」もそれ系ですし、って同じ文庫だった。