「異世界のんびり農家」11巻。子供たちの(一部)巣立ちがメインでしょうか。なんだかんだで主人公の異世界生活も10年ぐらいになっていて、妻も子供もどんどん増えている。その子供たちの上から3人が、外の世界も知るべきということで遠く離れた(といっても転移魔法で行き来する)学園生活に旅立つ。ちなみに一番上のウルザは洞窟探索してたら出てきた女の子で、実は太古の勇者が呪われて封印されていたのを浄化開放しちゃった姿だったりする。なので自分の名前以外の記憶は無いのだけど、めっちゃ強い。その強さゆえに村の子供らのリーダーになってて、養子とした主人公も手を焼いてる存在。今回は旅立つところまでだったけど次巻ではその活躍が見られるらしい? このウルザ、とにかく暴れん坊というイメージだったので脳内では赤髪短髪の活発感だったのだけど、イラストとか漫画(最近登場した)とか見てると普通?に金髪ロングの美少女なんである。黙ってれば楚々とした令嬢に見えそうな。今後とも活躍を期待するところだけど、もしアニメになったらなかなか映像に映える存在なんじゃなかろか。
今回一緒に学園に向かうアルフレートは最初に妻になった吸血鬼ルーの長男。すなわち村長たる主人公の最初の実子なので、村長の後継者として周囲から期待されている模様。わりと真面目なキャラ(ちなみに3人目は2番目の妻の長女ティゼル、こちちらは知謀が暴走するタイプ)なので後継問題とかを自覚すると緊張してるけど、主人公は気にせず自分の道を行けば良いと語る。様々な経験を経て村長の職を選ぶなら応援するけど、その経験の一環として今回の学園生活も大事にして欲しいと。周囲はウルザと結婚して村長を継ぐことを期待してるみたいだけど、まあそれはそれで大変そうね。ところでその母のルー、吸血鬼なのだけど普通に食事してる。あるとき吸血衝動とかないのかなとか主人公が聞くと、「愛する夫の血を貰ってるから問題無い」。これってすなわち精液で代替できてるってことなんですかね? あと主人公、どうも不老不死になってるんじゃないかという気もするので、もしかしたら後継者も不要かもしれない…? むしろ子供のほうが先に寿命来そうな。まあ吸血鬼なら数百年生きるのは当たり前みたいだし、主人公の不老の血も引いていればその子も同じようなもんだったりするのかな。
2021/10/12
異世界のんびり農家 11巻
2021/10/05
ご主人サバ 6巻
「ご主人サバ」6缶じゃなくて6巻。サバといえば缶ですね。主人公により異常に強化された装備で快進撃の反乱軍、ついに首都奪還して兵数300倍ぐらいの討伐軍を迎え撃つ。相変わらずグランデが最強ぐうたらマイペースドラゴンでカワイイ。隙あらばクッションに埋もれて寝てる。さらにスライム娘3人衆が局地的最強でカワイイというか怖い。あと今回さほど出番は多くないけどしっかり存在感のあるハーピイさんたちもカワイイ。数多くの妻を抱えることになる主人公、妻たちに隙あらば「食われる」描写が定番のオチだったりするけど、グランデなど体力底なし組と比べてハーピイは非力だけど数の暴力で圧してくるらしい。で子供が産まれるのも一番早いんじゃなかったっけ。女性しかいないハーピイは他種族から精だけ貰って子育ても自分らで集団でやるという習性がある(従って産まれる子供も娘だけ)ので、主人公が知らぬ間にハーピイちゃんたちが多数産まれてた気がする。ちび羽毛たちにわいわい囲まれてる様子は早くビジュアルで見てみたいものである。子供の存在を知った主人公がその建造能力で、育児施設を含んだハーピイの巣として高層マンションみたいなハーピイタワーとか作ってるし。階段が無いので他の種族は上がれないやつ。ついでに種族特性上強いオスが大好きなので、自分ら以外に妻がどんどん増えることも「ウチらの旦那さん凄い」状態でわりと歓迎してるらしい。あとグランデを強くリスペクトしているのでよく一緒に行動しているのも好き。主人公を多数の羽毛でわさわさ接待してたら中にドラゴンのウロコが紛れてたりとか。
グランデはグランドドラゴンなのでもともと土に埋もれて寝る(魔法で軟化させて土に潜る)習性があってその流れでクッションに埋もれて寝る(なにしろ最強生物だから簡単には傷つけられないのでヒマがあれば寝てる。ただし殺気などには非常に敏感に反応する)とか、ハーピイの種族習性とか、独特の描写が好き。ついでに同じ作者の「29歳独身」に出てくるアラクネの風習も独特だった。巨大な蜘蛛に人間の上半身が付いた形態を持つアラクネはもともとは太古の神により生体兵器として作られた種族で、ほとんど理性無しに殺戮を繰り返していたけど、あるきっかけで理性を得てからは人間と接触せぬよう森林奥地にひっそり隠れ里を構えていた。たまに森の中で冒険者とかが負傷しているのに遭遇すると集落に連れ帰って世話をし、回復したら集落にとどまるか記憶を消して人間の世界に戻るかを選択させていた。なので人間とアラクネの夫婦(男女構成はどっちもアリ)というのが里には普通にいて、主人公が訪問したときにはアラクネの女の子が小さな人間の弟をおぶって子守してたなんて描写もあった。なかなか面白いけどアラクネの身体で卵生なんだろうか胎生なんだろうかとか、人間の母体からアラクネが産まれてくるのはいろいろ大変じゃなかろかとか気になったりもした。こういう異種族の独特の風習とかって好きですねえ。ちょっと変化球の「異種族レビュアーズ」もそういう面で楽しめたし。
2021/10/02
理想のヒモ生活 14巻
「理想のヒモ生活」14巻。相変わらずヒモと言いつつ「いつの間にか国内でも随一の多忙」と言われるぐらいあちこち飛び回って働く旦那様。全然ヒモじゃない、めっちゃ国のため女王のために働いてる。営業マンとして鍛えた対応力で、魑魅魍魎な貴族社会にも対処してるし。めでたく側室も迎えたのだけど、正妻と寵愛を競い合う…よりもまず夫をなんとか居心地良くさせようと協力して腐心する。なにしろ旦那様は小心な日本人、側室を迎えるのだけでも抵抗が大きくてようやく迎え入れることになったのである。そんな環境なので、妻同士が夫について心配したり打算したりで話し合うシーンがなかなか味わい深い。ついでにこの側室、遠い他国の王女であり、その他国の地での騒動に今後いろいろ巻き込まれそうな感じでそれへの対策もいろいろ話し合われてた。そういえば身内だったり他国間だったりで会談が多かったな。「転スラ」じゃないけどほとんど会議してたような。それでも面白いです。コレどうなんだろう、アニメ化とかするには地味かな…戦闘とかが無いわけじゃないが、基本的に政治ドラマ…といえるのかどうか、内政ネタが多い気がするし。
2021/09/02
チート魔女 5巻
「魔力チートな魔女になりました」5巻が出ていた。web版だと従来刊行分より長めな印象だったし途中で大きく舞台が変わるので、前後編で出たりするのかなと思ってたけどそんなことなかった。ていうか今見直したら全然長めでもなかった。内容的には基本的にweb版そのままですが弟子に関する描写をやや膨らませてるかなといった印象。表紙にも出てますし。そして相変わらず穏やかで優しい話で安心。悪役も出てくるけどあっさり退場するし。
これに伴ってwebでは7章が連載されているのだけど、サブタイトルからしてまとめに入ってるんじゃないかというのがちょっと気になる。書籍版の構成が、だいたい冒頭で500年後の魔女たちの様子を示しておいて、こういう話もあったよといった流れで本編に入る感じになっている。本編中でもしばしば、後年にどうのこうのというエピソードも挟まれるし。なのでいくらでも後付け可能というか本編の時間軸が前後しても全然問題無いような構造ではあるのだけど。何が言いたいって要するにいつまでも続いて欲しいのです。漫画版もなかなか好感だし。こちらも早く単行本で欲しい。早く3章までたどり着いて欲しいけど先は長い。ていうかたどり着けるのかも解らない。
2021/08/24
なろう系
「マギクラフト・マイスター」漫画8巻。蓬莱島に仲間達を招待したり、謎めいたオートマタ・エレナ絡みの話とか。エレナの件は次巻に続いてたけど、冒頭の仲間招待のところで、「お客様が来たぞ! 歓待するぞ!」的にゴーレムたちがえらく張り切ってるのがなんだかおかしかった。まあ主人公しか人間がいない島で来訪者も皆無だったから、お客さんが来ると嬉しいのかもね。コミカルなタッチも手伝って、やたらとゴーレムたちが可愛い。今作も絵が付くことでだいぶ雰囲気が変わっている気がする。
「月が導く異世界道中」16巻。前巻から書籍版オリジナルな展開に入っていて、確執ある貴族からの依頼を受けてなんだか恐ろしげな汚染をされている地の調査へ。なんだかんだで主人公一行のチートにより解決したら既存の流れに戻ってた。召喚した「門」と対峙して、新たな従者を加えて…となったけどまだ新参の人に名付けをするところまで至らず。しかし「門」にせよ新参にせよ、webで読んだのが随分前だったので、あーこれは以前と同じような展開だなー…まだ書籍だと出てなかったんだっけ!? と妙な動揺をしてしまった。
2021/08/22
オールラウンダーズ!!
「オールラウンダーズ!! 転生したら幼女でした。家に居づらいのでおっさんと冒険に出ます」web掲載分を読み切った。コレも結構長いんだけど、1話がさほどでもないのでそこそこの時間で読了できた。とある異世界で5歳の貴族令嬢が虐待の果てに意識不明となったら現代社会人の魂が入り込んで目覚めた、という「本好きの下剋上」に近いような始まり方の転生チート。いちおう貴族なので立場はだいぶ違うが。貴族令嬢と現代社会の記憶が入り交じった状態になり、虐待放置されていたので極度の人間不信に陥った主人公。とにかく冷淡で口が悪い。まずは自分を虐待し続けてきた父親(伯爵家当主)に罵倒の限りを投げつけて黙らせ、自宅裏の山林に現れた冒険者おっさんに誘われて家を出る。前世の記憶を取り戻してからは裏山で鍛錬を続けていたら超人的な戦闘能力も身に付けていて、冒険者として様々なトラブルに巻き込まれたりその毒舌で自分から巻き付いていったりする話。いちおう基本はゆるい感じもあるのだけど、なんと言っても主人公の罵倒が強烈。ありがちな先輩冒険者やら貴族王族やらにいろいろな絡まれ方をするのだけど、戦闘力が隔絶しているからまったく障害にならないしそれどころか心を折りまくるような罵倒を投げつけてみせるのがある意味痛快。ついでに「勇者召喚」だの「悪役令嬢」だのといった要素も取り込んでたりする欲張り仕様。書籍版も出ているけど、しかしコレはアニメにはしづらいんじゃないかなあとも思う。主人公の罵倒が激しいし。相方のオッサンことS級冒険者ソードとのボケツッコミはなかなか楽しいのだけど。
2021/08/02
四度目は嫌な死属性魔術師
「四度目は嫌な死属性魔術師」、ようやくweb掲載分を読み終えた。長かった…実に長かった。ってまだ完結したわけじゃないけど。何語ってもネタバレになりそうなんだけど、とりあえず他人様の評を借りると「広げまくった大風呂敷を畳み切りそう」な勢い。どんどん異形の仲間達が増えていくのは「オーバーロード」的だけどそれと違うのは自分から世界征服しようとはしてないところで、しかし攻めてくる敵や怨敵に対応していってたらどんどん大規模になってる感。そしてこのまま畳みに入ってしまうのか、それとも大風呂敷はまだ乱れるのか。
漫画版6冊は買って読んだけど、書籍版のほうはどうしましょうかね。と言いつつとりあえず1巻は買ったけど。書籍版と比べると漫画のほうはだいぶラフなタッチに見えますのね。ダルシアとか女性陣だけは緻密に描いてる感じだけど。
2021/07/11
月導9巻 & ポンポさん2巻
「月が導く異世界道中」漫画9巻。ソフィア戦の決着から、ロッツガルド入試のあたりまで。相変わらず殺伐系と脱力系の混合ぶりが小気味良い。しかしweb版のほうもずっと続いているのだけど、着地点が見えないままに話がどんどん散漫になっていってるような印象も無きにしも非ず。アニメ版も始まったようですけどどこまで行くんですかねコレ。勇者が出てくるあたりから話がややこしくなってくる感もあるけど、出さないわけにもいかない…のかな。
この漫画、巻末おまけ4コマとか1話ごとに小さく1コマおまけで描いてるのとかがやたら好き。アニメ版も「漫画版に準拠してる」なんて聞きますが、それで正解かもしれない。
「ポンポさん」2巻読んだ。1巻で大成功を収めたジーン監督に、ポンポさんが持ってきた次の仕事は超大作の続編。自分とあまりに異なる映画人たちとの仕事に全力で取り組むジーンだが…といった展開。1巻では無敵万能の大天才感のあったポンポさんに人間味が出てたのが印象的。続きも読もう。
あと最近「なろう」で「四度目は嫌な死属性魔術師」を読んでいるのだけど、長い。まだ掲載分の1/3も読んでないのかな。さらに1話が他作より長いので、読み応えありすぎて困るレベル。いや面白いので良いんですけど。団体転生チートものなんだけど、神様の都合に振り回されまくってとんでもなく不遇な環境におかれる主人公が復讐していく話、になるのかな。徐々に力をつけていって、気がついたら神殺しに手が届きそうな感じにすらなっている。手が届きそうというか弱小な神は既に殺してたりするレベル。あとアンデッドとかグールとかゴブリンといった「ゆかいな仲間たち」がどんどん増えていくのも楽しい。なかなかに殺伐としたところはキツいものもあるけど、仲間たちとのシーンはコミカルホラーの様相です。モンスターを配下に魔王みたいになっていくのは「オーバーロード」的だけどアインズ様と違うのは無差別侵略を(今のところは)やってないことですかね。主人公がその不遇な出自からやたら慎重で、復讐にも一歩ずつ進めている感だし。今後どうなるか解りませんけどじっくり楽しませていただきたい。
2021/06/30
異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました
「異世界転移したら飼っていた犬が最強になりました」、まだ長いweb版を読み切ってはいないのだけど、漫画版が1話無料配布されてた(そして2話が110円で出てた)。タイトル通りに異世界転移したら愛犬が最強になってたという話で、マルチーズだっけの小型犬が一緒に転移したら大型のシルバーフェンリルとかいう魔物になってた。でかい犬(狼?)と言われてライオンぐらいかなと思ってたが、書籍版やコミックになってビジュアル化されるとライオンどころじゃないそのでかさが際立ってた。そういえば本文でも、犬と主人公がそれぞれ立った状態でも見上げる巨体とか言ってたな。このでかさなら人を数人載せても楽勝でしょうし。「狼と香辛料」のホロもこのぐらいでしたかね? 今作のレオという名の元マルチーズ、でかくて強いんだけど人なつっこくて子供大好きなのがカワイイ。マルチーズ時代にも散歩に出ると子供とよく遊んでいたらしいし。そんなわけで異世界冒険が始まるようなそうでないような、だいたいレオ無双でなんとかなる感じ。ハードな展開も多少あるけど基本ゆるめな作風ですかね。
2021/06/11
マイノグーラ
「異世界黙示録マイノグーラ~破滅の文明で始める世界征服~」、とりあえずweb版と漫画2巻までを読んだ。病弱で若くして死んだ主人公がゲーム世界みたいなところに転生する話ですが、舞台はファンタジーSLGで「英雄」を駆って覇を競うもの。そのゲームにおいて最高難易度の邪悪勢力「マイノグーラ」で英雄「汚泥のアトゥ」を使うプレイスタイルで公式ランキングトップに君臨し続けていた(ずっと病床なのでゲームに入り浸りで極めてしまうというのは「リアデイル」と同じような感じですね)のが主人公。なのでゲームシステムは知り尽くしていてその戦略思考にも絶大な自信を持っていて、確かに順調にチートな覇道を歩み始める…のだけど…といった展開。普通の「なろう」系転生チートものと大きく異なるのは、チートなゲームシステム能力(物理法則を無視した生産が可能だったりとか)を持ちつつも、それを越えてくる相手にどんどん出くわしてしまうこと。なのでなかなかにスリリングというかハードな展開で、先が読めません。web版でも3章前半までで停まっていて、「プロットができたら書く」という宣言の後をずっと待ってる状態です。
そして漫画版も強烈な魅力を放っています。なかなか精緻で美麗な作画がなされていて、邪悪勢力ベースだからホラーじみた描写もしばしば出てくるけど違和感無い。そして時折挟まれる脱力コミカル描写もものすごく良いです。特にだいたい主人公の側に侍っているアトゥがカワイイ。しかしだんだん話が進んでくるとその戦闘力から最前線で活躍するアトゥは普通に怖い。「幼女戦記」漫画版の「ミ・ツ・ケ・タ」とかでもなかなかに激しく狂気的な描写があったけど、アレを思い出すような。アレよりもホラー寄りで怖さを感じるような、そんな迫力を持っています。これからさらに物語は殺伐としてくるので、ますます怖いことになりそうで楽しみでもあり恐ろしくもあり。