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2023/08/11

ルリドラゴン

『ルリドラゴン』読んだ。前々から名前は聞いてたけどちょっと前のセールで買っておいたのを今頃になってようやく。ある朝起きたら突然ツノが生えていた女子高生ルリ、何だコレと戸惑いつつも登校。周囲に珍しがられるもなんとなくそのまま授業も受けていた。そしたらクシャミした拍子に火炎を吐いてしまい… といった感じで始まる、ゆるい学園ファンタジーといったところなんだろうか。出生の秘密とか身体の変化適応とかいろいろ出てくるんだけど、基本的に女子高生の日常生活といった感じでゆるいところが良い。長期休載中で再開も熱望されてるらしいし私もそうなのだけど、これから日常描写を続けていくのもなかなかネタ的に大変だったりしないかなと心配してしまう。かといって出生の秘密を求めて大冒険とかの方向に行ってしまうのもなんか違う気がするし。とはいえ父親がドラゴンで、母親がその元へ日帰りで行ってきたりするのでさほど秘境に居るわけでもなさそう?
日常生活にドラゴンが混じってくる話というと、以前も言及した『帰宅途中で嫁と娘ができたんだけど、ドラゴンだった。』も好きなんだけど、こちらは書籍化したけどセールスが振るわなかったのか2巻止まりだったことに作者氏がショックを受けたらしくてこちらも休載中というか断筆に近いのかなあ。web版ではいろいろ今後が気になる要素を盛ってきてるところで中断しちゃってるし。こちらは学園生活というより育児が主体で、主人公の男子高校生が妻?とともにドラゴンの赤子を守るためにバトルしたり奮闘したりする話。その赤子らが小学生になってる未来のエピソードもちらっと挟まれたりもする。とにかくその家族団らんとか育児描写が可愛らしくてずっとそこだけ読んでいたいぐらいなんだけど、気になるのは主人公の馬鹿さというか思考能力不足の描写のためなのか会話が遅々として進まないことがしばしば出てくること。噛み合わない会話を延々と見せられるのはもどかしくてしんどい。そこをもう少しシェイプアップしてくれたらもっとずっと読みやすくなるのにと思う…のだけど中断作なので… とにかくこちらも再開を祈るしか無い。

2022/05/27

帰宅途中で嫁と娘ができたんだけど、ドラゴンだった。

帰宅途中で嫁と娘ができたんだけど、ドラゴンだった。」、タイトル通りの導入となる作。40年ぐらい前の「世界衝突」により、現代社会にファンタジーが融合してしまった世界。なので獣人とかモンスターとかドラゴンとかが普通にいる。融合当初は事故も悲劇も混乱もあったけど、とりあえず世間は落ち着きつつあるそうな。そんな中で主人公がドラゴン卵泥棒の追跡に加担したことから始まる話。作品世界ではドラゴンには女性しかおらずしかも人間形態(角・羽根・尻尾あり)を標準としていてドラゴン形態は力の消費が大きいとかで必要時しかやらない。なので産まれるのも当然娘のみ。だからといって同じ個体のクローンにはならないところはまあ我々の知る遺伝子とは異なる要素があるのでしょう。
で、今作の最大の魅力というのは間違いなくその娘達、双子の赤子の描写がものすごく愛らしく描かれていることでしょう。いきなり夜泣きに苦しめられたりとか噛み癖にやられたりといった苦労話も挟まれるけど、双子で非言語コミュニケーションをとる様子とか頼りなくふよふよ飛ぶ様子とかパパママに甘える様子とか、とにかく可愛い。主人公が膝に乗せているとあちこち掴んでよじ登ってきて、肩に乗ったところで母親であるヒロインが哺乳瓶持って入ってきたのを見てそれを目指して「だぁ!」と元気よく飛び立ったりとか。赤子でもドラゴンだけあって掴まれたり蹴られたりするとめっちゃ痛いらしい。肌の柔らかさやキャッキャ喜ぶ様子を堪能する入浴シーンも好き。主人公もトラブルに巻き込まれてるときに、さっさと片付けて俺は帰って双子と風呂に入るんだ!と内心言ってるぐらい。漫画でそのいろんな場面のビジュアルをもっともっと見たかったのだけど、漫画版も書籍版も、それぞれ2巻で刊行終了となっている模様。この刊行終了により作者氏のモチベーション低下が激しいようで、2017~2019年までに190話ぐらい公開していたのが翌2020年に1話、昨年2021年に5話、そして今年は3月の1話のみの更新。先が気になる展開になっているので更新が待たれるところではあるけど、更新の意図を信じてこればかりは待つしかない。
育児要素だけでなく徐々にスケールの広がっていくファンタジー要素もなかなか面白く、それなりに殺伐としてるところもある。そして個人的に感じる難点を挙げるとすれば、「めんどくさい」「回りくどい」と感じる点が散見されることだろうか。ウザ絡みをしてくる人物が出てきて、ぶつかり合ううちに理解が進んで無二の仲間になるなんて展開はまあよくある話なんですが、ウザ絡みがウザすぎる印象が拭えない。コレはまあ個人の耐性もあるだろうし私がそれについて低めなのも否定しませんが。あと主人公がやたらとバカと言われるバカ設定で、世界への理解も乏しいからと周囲からの言葉を借りて設定説明がしばしば入るのは良いのだけど、その辺もいささかウザい。世界実態とか竜の生態とかに詳しい「鼠の賢者」が出てくるのだけど、そいつがまた主人公をいちいちバカにしつつ世界を語るのである。ナレーション的に世界設定を語るような形式だと面白くないのかもしれないけど。どうにもいろんな面で回りくどい印象があり、話がなかなか進まないのがもどかしいことがしばしば。育児要素にたどり着く前にウザ要素で忌避されることも少なくないのではなかろうか。…実際、正直言うと私自身もだいぶ前に冒頭をいくらか読んでいたのだけどすぐに離れていたという過去があります。今回漫画広告でも見たんだろうか、改めて読み直して見たら育児要素の魅力にハマった感じ。ある程度読み進むとウザ要素もそれなりに慣れてくる?感じにはなりましたが。しかしあらためて書籍版を購入して読んでみると、ウザ要素が気になって気になって… とりあえず現状はweb版の更新を待つのみです。

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