まだまだ去年の話。アニメ版「青き鋼のアルペジオ ARS NOVA」、なんだかんだで今期アニメでここまでのところ唯一、最後まで観ました。他もいろいろ撮ってるけど観るのか不明。でアルペジオは、12話でまとめるためにいろんなものを切り捨てて再構築してた感じですが、まあなかなかそれなりにまとまってた印象。最後で魔改造しちゃうのはお約束か。あと終盤でのマヤの扱いはちょっと怖い感じもしたり、400/402の特有な存在感はアニメ独自のものでした。
まあアニメで観たかった要素がいろいろあったのも否定できない。各メンタルモデルが自分の分身として生み出して各種作業などやらせるためのミニキャラとか、イオナのギャグ表情とか。ヤマト・ムサシあたりは出してしまうと話が際限なく広がってしまうので、ラスボスがコンゴウ止まりだったのは現実的な判断か。
映像的には艦船描写は凄まじかったけど、やっぱり人物描写には最後まで違和感あったなあ。メンタルモデルでない人間は全体に違和感あったけど、特に顕著だったのが蒔絵。子供っぽい柔らかさに乏しい印象というか。あごや首のラインがいつも気になってしまってた。出番の多い艦長からして気になっていて、表情が硬いせいか台詞までなんだか棒読みに聞こえてしまう。メンタルモデルは人間で無いという前提があるせいか、硬質に見えてもさほど違和感無かった。むしろかなり親和性高いように思えたり。かといって人間とメンタルモデルでモデリングというか描画の質感を変えたりすると画面全体でのまとまりが難しかったりするのかもしれない。今回はメンタルモデル側に振った出力だった、と解釈しておこうか。しかしもう少し何とかならないかと期待もしたいところ。…期待するなら投資の意味でBD買えってか。とりあえず原作は全部買ってますし今後も追うつもりですが…
2014/01/01
アルペジオ ARS NOVA
2013/11/17
蒼き鋼のアルペジオ
もともとは「艦これ」とのコラボをやるアニメが始まると言うことで名前を知り、原作が漫画だということを認識する。アニメはいちおう撮りためているのだけどまだ全く観ていなくて、そんな中で原作のほうをちょっと読んでみたら面白くて一気に8巻まで読み通してしまった。kindleで。正確にはipad miniのkindleアプリで。やっぱりpaperwhiteで漫画はつらいので。
アニメも録画のうちから3話まで観てみた。だいたい原作を踏襲しているけど、端折ったり独自に付け加えたりしているところが散見。3話まででキリシマ&ハルナに対峙しようと向かうところまででした。
このキリシマ&ハルナもそうなんだけど、「艦これ」で聞いた旧海軍からの艦艇が女性の外見で登場するところが最大の特徴ですね。で、それぞれに外見や性格の具現化が異なるところも興味深い。「艦これ」の霧島は眼鏡装備の委員長みたいなお堅いイメージだけど、「アルペジオ」のキリシマは非常に好戦的なイケイケのお姉さんである。共闘するハルナが寡黙なイメージなのと対照的。一方の「艦これ」の榛名のほうは健気な美少女といったイメージで、これまた大きく異なっています。キリシマの性格については、「艦これ」のファンの語り口からも史実の霧島が米艦隊相手に大立ち回りを演じたということがよく言われて実は武闘派なんてことも聞くので、むしろ「アルペジオ」のほうが解りやすく史実を反映しているのかもしれない。他に姉妹艦であるコンゴウも、金剛とはだいぶキャラ付けが違ってますわね。アニメではよく紅茶をたしなむ描写が出てくる当たりに英国出身というところは反映されているようですが。
漫画のほうは、全体に緻密な描写が非常に緊迫感を高めていて好感です。艦艇もみっちり描かれているし、艦艇見取り図や海図といったモニタ描写も細かい。そういうみっちり感がアニメの方にはいまひとつ感じられないのが残念かなとも思う。まあこのへんは予算の都合もあるでしょうけど。アニメと言えば、各艦船がCGで描かれるのはいまどき普通ではありますがどうもキャラもほとんどがCGで描かれているような印象。エンディングクレジットを見ていると原画・動画スタッフがCGスタッフに比べて非常に少ない。そして何より、本編中でキャラの表情が無機質に感じられることが多い。この無機質さというのは本作のメンタルモデルを表現するには非常に合致しているけども、人間までも同質に見えてしまっているのがちと残念感を禁じ得ない。まだ生身の人間を違和感なく週刊ペースで出力するには至ってないんですかね。これが劇場版レベルでみっちり作り込めるぐらいになればまた変わってくるのかな。でもアップルシード系とか見ててもまだまだって感じもするし。ゲームのデモ映像とかも、瞬間的にはおおっと思うことがあってもやはりどうしても「引いて」しまったり冷めてしまうような瞬間が訪れてしまうものだし。PS4やXboxOneの世代になってもそのへんはまだまだなんでしょうか。
まあでも見慣れてくれば違和感も薄れるのかもしれません。話自体は面白いし。これからどんどん増えてくるであろうメンタルモデルがどう表現されるのかも楽しみ。
2013/04/06
「ちいさい奥さま」
「ちいさいお姉さん」が突然の終了となっていたので完全スルーしていた電撃PS、1週間たっても店頭に残ってたので開くといつもの電撃4コマ、表紙トップに「ゆとり」の文字が!…ってなに、もう新連載始まったの?と思って開くと「ちいさい奥さま」の文字。続きがあったのかよ!
どこにも明記はされてないけど、どう見ても(いくらか時間をおいた)続きである。ただし今回は前作からの主人公・灯しか出てこない。そして髪を短くしている。山本さんと結婚したものの出張続きで新居(山本さんのマンションそのままかもしれない)にひとり残されている、という状況みたい。山本さんのことだから海外出張とかも多そうだな… それで「花のズボラ飯」みたいなだらけた主婦っぷりを披露している。ただし飯食いじゃなく酒飲みつつゲームやってるけど。日々だらけてるっぽいから専業主婦になってるのかな。
しかしいきなり結婚編になるとは思いもよりませんでしたが、これから周辺の人たちも徐々に描写されていくのかな。終盤になって立て続けにくっついていった他のカップルたちも気になる。父もどうなったんだろう…
2013/03/26
ヴォイニッチホテル2
ようやく「ヴォイニッチホテル」2巻読んだ。相変わらず、シュールな笑いと凄惨な殺人が入り乱れる不思議世界。善も悪も混沌として何が正しいのかもわからないけど、切なくなったりニヤっとしたりスカッとするところもあったり。なんとも不思議な魅力に満ちています。絵柄も独特だし。
同じ作者の「ニッケルオデオン」は一話完結の短編集なんだけど、ヴォイニッチは一応連続したストーリーもの。しかし登場人物もなかなか多いので、いろんな視点から謎のリゾート地の日々が綴られます。短いエピソードを淡々としかし強烈に積み重ねる感じ。なんかいろいろ語りたいけど語る言葉を持たない感じ。貧弱な語彙が悲しい。
2013/03/18
「ちいさいお姉さん」終了
今回の電撃4コマにて、「ちいさいお姉さん」突然の終了。まあここ数回は急に怒濤の展開?をしてましたものね… ただだらだらと酒飲んでゲームしてるだけという話も少なくなかったのに、ここのところはなんかいろいろ急に展開してました。最終回も一見さほど雰囲気は変わることなくいつものように過ぎてましたけど、なんか妙なのは登場人物が妙に多いというかほぼオールキャスト状態で。父と再婚候補?もすげえ久々に登場してたし。
先日単行本6巻が出たばかりなのだけど、あと2冊ぐらい出るのかな。今回の表示は歯科医先生だったけどあと2回なら誰と誰だろう。歯科助手とか父の嫁ぐらい?
まあなんだかんだで長いこと楽しませてもらいました。一時期世界4位の「ちいさいお姉さん」ブログを自称したこともあったなw …今検索したらまだ10位だった!しかし連載終了となると、電撃PSを買う動機の大部分が削がれることになりかねない。
ところで本誌のほうではいきなりSAOの85層までの攻略記事が載ってた。まあ各層ボス攻略を短く列挙してるだけなんですけど、ゲーム的にはそのぐらい内容が薄いとも言えますしね… 敵やマップ構成も使い回しが多いですし。
2013/03/08
ブラックジャック創作秘話2
「ブラックジャック創作秘話」2巻読んだ。前巻に引き続き、壮絶な漫画制作の日々。数々の連載を抱えてさらに一時期はアニメも同時進行していたというからもう壮絶すぎる。人気作家なので出版社が次々に依頼してくるのを基本お人好しだから断れずにどんどん仕事が増えて、しかしそれを支える超人的な体力と何より創作意欲が凄まじかった模様。様々な奇行も挙げられてますけど、ほとんど眠らずに連日連夜編集者から監視され続けずっと書き続けていたら、そりゃあわけわからんワガママも言いたくなりますよねえ… 日本の漫画・アニメの基礎を作った神様であることは疑いようもないけど、過酷な制作環境という基礎も作ってしまったのかもしれない。
アニメの話に出てくるマリンエクスプレスは当時見た覚えがあります。24時間テレビの1コーナーとして放映されたのですよね。何故か歌の一節を妙に覚えているのだけど、アニメ自体の内容はどんなんだったかさっぱり覚えてない。
2013/02/20
セントールの悩み
「セントールの悩み」、4巻まで読んでみた。セントールすなわちケンタウロスの女の子が主人公です。ただし女子高生、舞台は日本っぽいどこか。乱暴に例えると異世界で「けいおん!」みたいな萌え漫画をやったような感じでしょうか。
「人馬」と呼ばれるケンタウロス以外にも天使っぽいリングと白い羽根を持った「翼人」、横にとがった耳とは虫類っぽい羽根と尻尾を持った「竜人」などさまざまな形状の人たちが普通に共存している社会。ていうか基本的に2脚2腕の人類は存在しないっぽい。生物は3対の腕脚を持ち、そのうち2対が脚になると人馬になり、1対が羽根になると翼人や竜人になるとか。異種交配も普通で、兄弟によって形状が違うというのも普通。我々の社会だと髪や瞳や肌の色が違うとか、人種で顔つきが違うとかいったそういう程度の相違ととらえられている様子です。それだけに独特の文化習俗があって、物語自体は大した事件も起きないような学園生活を中心に日常を描いているのだけど、独特の社会描写が面白いです。形態による差別は厳しい処罰の対象になるとか、人馬用にトイレは広いとか、なんか色々と。
そしてやっぱり魅力的なのは絵柄が可愛いことでしょうねw 名前が姫乃なので「姫」と呼ばれる主人公、その名の通りにおっとりふんわりの可愛らしい容姿と性格。しかしなにしろケンタウロスなのででかいw さらにパワーあるのでたまに本気で走ると大迫力。そのギャップが妙な魅力を持っています。主人公の従妹や委員長の妹(3つ子+その下1人)など、2巻以降いろいろ出てくる小さい子らもやたら可愛い。
時折ちらりと南極蛇人への対応とか不穏な要素も漂わせていたりしますが、独特な世界の日常描写が非常に魅力的な作です。
2013/01/21
ハクメイとミコチ とか
樫木祐人「ハクメイとミコチ」読んだ。身長9cmという小さい人たちの物語で、一緒に森に住むハクメイとミコチの物語。この人たちだけでなく、虫や鳥や動物たちとも交流があって、街に行けばいろんな連中が商売をしてたりする。このファンタジー世界の描写がとにかく緻密で、森のたくさんの木々の葉も、建物がひしめく町並みも、住居内の雑貨の数々もみっしりと描かれている。それらの1つ1つから生活感・実在感が伝わってくるようで心地よい。人間サイズの人間は(今のところ)出てこないので、全くの異世界なのかもしれない。通貨が円なのはご愛敬、ていうか無駄に変な用語作るよりもよっぽどしっくり来るわ。小さい人たち以外の動植物も基本的に実在するものばかりだし。
あと非常に特徴的だと思ったのが、いい人たちばかりなのである。人以外もたくさん出てくるけど。基本的に悪い奴がいない。同じように緻密に描かれたファンタジーとして「棺担ぎのクロ」が思い出されるけど、クロの世界は基本コミカルな面白おかしい話だけどもベースにダークなものが満ち満ちているので、時折顔を覗かせるその暗い片鱗にゾクッとさせられたりする。人間の悪意や薄汚いところもしばしば露見する。クロのほうはあくまで人間サイズの人間社会での物語だというところも違うけども、とにかくそのあたりが対照的だと思うところです。
毎話のように新しいキャラクターが出てきて、様々な人々や動物たちとの交流が描かれる「ハクメイとミコチ」。今後も楽しみ。
他に「銀の匙」6巻、「乙嫁語り」5巻も買って読んだけどそれぞれ安定の面白さ。今回の3冊はどれも大満足でした。特に面白い新作に出会えたのは嬉しいなあ。ちなみに「乙嫁語り」には「ハクメイとミコチ」のサンプル版が入ってた。そういえば同じビームコミックスなのね。
あとこれも漫画といえば電撃PSも買って、「ちいさいお姉さん」は前回からの突然の急展開を受けての話になってた。来月には単行本も出るらしい。
2013/01/13
猫神やおよろず と日本神話
「猫神やおよろず」が5巻で終わってたのをようやく読んだ。だいぶ前に買ってはあったんだけど。もともとはご町内神様ハートウォーミングコメディだったけどだんだんスケールがでかくなっていった印象。絵柄は可愛いし綺麗だし妙にレトロゲームに傾倒してたりもして、いろいろ面白いところも多い漫画だったけどもいまひとつ盛り上がりに欠けた感も否めない。このへんはストーリーテリングの技巧がまだこなれてないのかな。いっそレトロゲームにもっとフォーカスした漫画とか描いてくれたらいいのに。同じ作家が「世界樹の迷宮2」をコミカライズしてた(原作やってないので物語がオリジナルなのかどうか不明)けど、こちらはなかなかよく出来てた印象がある。
この漫画もちょっと前にアニメ化されていたけど、どうも力の入ってない感がひしひしと伝わってくる作で、2・3話観てその後放置してた。いちおう録って残してはあるんだけど。メディア売り上げも散々だったような気がする。
しかし今期アニメになっている「ささみさん@がんばらない」もそうだし、最近読んだ「ぼおるぺん古事記」はモロというかそのものなんだけど、日本神話を題材にした作に最近よく触れる。特に「ぼおるべん古事記(作:こうの史代)」は、その名の通りにボールペンで古事記を漫画化したもので、古事記を原文のまま綴って、それを見事に漫画として展開していることに驚く。もちろんフリガナとかは振りまくって脚注も大量につけているので、書いてあることも(だいたい)把握できる。そしてこの作者独特のコミカルな表現もそこかしこに出てきて、漫画として独自の読感を楽しめます。
アマテラスとかスサノオといった神話の神々の名前はそれなりに聞いたことはあるけど、そういう神々の繋がりとか成り立ち、そして日本の創生という神話にあらためてじっくり触れることができます。イザナギとイザナミによって日本列島が次々に産み出されていくのを漫画として絵にされるとそれはそれは壮観だけど、最初にヒルコとかの日本列島として何も認識されてない子を産んでいるというのは初めて知った。何でも結婚の手順が間違ってたとかでやり直してあらためて列島を産み直すわけだけど、しかしこの日本列島以前に産まれて(そして闇に葬られて?)いた子がいたというのはなかなか衝撃。神話のエピソードは実際にあった出来事とか自然現象とか風習とか教訓になるようなことを暗示しているという話もあるけど、そうだとすればいったい何を示しているのだろう? と思ってちょっと検索してみただけでいろいろ情報や考察がでてきて、興味を惹かれる人も多いようです。
この「ぼおるぺん古事記」、古事記自体がそう長い話でもないし3巻までらしいのだけど、その3巻が2月発売らしい。次が待ち遠しい。
2012/12/30
げんしけん13
「二代目の四」と題された「げんしけん」13巻。学園祭を舞台とした騒ぎが描かれていて、やっぱりというか騒動の中心はハト君。学祭だけに外部のいろんな人が入り込んできて、その中でもハト君の知人が特にややこしい存在なのだが、その人と入れ替わりに咲が登場、笹原妹も尽力(?)してマダラメと咲を部室でふたりきりにしたところで巻が終わる。次回予告ではそのマダラメの行動に焦点を当てて引っ張る。これでついに、某所でちらっと出てたというマダラメ&咲が結婚した後日談(と見せかけて別世界話の可能性もあるが)の短編に繋がるんでしょうか。何というか、咲がコーサカとの関係を諦めてるのかなといった印象もちらりと伺える。コーサカがあまりに異次元に生きているので咲ですらとうとう諦めて解き放ってやろうと思っているのではないか的な。そこでマダラメの態度を試してやろうとか…?
しかしやはりハト君の腐男子っぷりも突き抜けている。男なのにBLが大好きで、しかし自分自身の性的嗜好はそっちじゃないという。でもマダラメに対する複雑は感情は、精神的にはそっちに傾倒しているようにも伺える。このへんは本気で解らん。最近BL本も市民権を獲得しつつあるようで、露骨にそういう描写をした表紙の雑誌が堂々と書店に置かれているとぎょっとするし。ああいうのもだいたい傾向があるようで、線が細くて長身で細目でとんがった顔の男が多いのですね。まあBL系でなく乙女系?とかの女性向け恋愛ゲームに出てくる男性キャラってのも画一的で一見本気で区別つかないようなモノもあったりするし… このへんは男性向けのいわゆるギャルゲでも同様ですけども。似たよーなキャラがテンプレな媚びを売ってるというのはどっちにも共通するものなのかもしれん。まだ萌えという言葉がゲームジャンルに存在しなかった頃から、似たよーなキャラばっかだとか言われ続けてきたけど、女性向けのそういう描写が目に付くようになってきて初めて実感できたかもしれんw
しかしハト君の突き抜けっぷりが凄いのは、女装男子という自分の存在すらBLの妄想に組み込んで楽しんでいるところですわね。理解できんけどなんかすげえ。