chaba log2

2013/10/13

異世界チート魔術師

カテゴリー: 読書 — タグ: — chaba @ 04:40

異世界チート魔術師」、これまたヒーロー文庫から書籍化されている異世界迷い込み系ですが、web版のほうを読んでみた。そしたらだいぶ違ってた。書籍で出ているのはまだ1巻だけだと思うけど、その前半はほぼ同じだけど後半が違うというかweb版には存在しません。webのほうはえらく展開が早い印象があるので、もう少しゆっくりじっくり展開させようという意図でもあるのか、一つ新たなエピソードを書籍版に挟んだような印象。まさかwebと書籍でその後の展開が全く違うなんてことは無いとは思うけども。これから出版が続けばweb版のほうに収束していくのかな。
例によってというか、異世界に突然迷い込んでみたら最強だったというパターンです。しかし迷い込んだ当初は戦いかたも何も解らないのでいきなりモンスターに襲撃されて死にかけ、そこを熟練冒険者に救われて…という導入。全体に世界の厳しさを前面に出しているところがあり、NPCクラスは結構死んでます。周辺でも重傷者が出たりとか。そして主人公は能力の使い方を教えられることにより最強になるのだけど、しかし戦闘能力は最強でも冒険者として厳しい世界で生きるにはあまりに経験不足というのがそこかしこで出てくる。たとえば人を殺せないとか。最初は人型のモンスターさえものすごい内心の抵抗を受けつつどうにか吐きつつこなしたり、やがて戦争に巻き込まれて参戦をためらってみたり。そういう、厳しい世界で生き抜く辛さのようなものを出しているところが特徴かもしれません。「フェアリーテイル・クロニクル」はノリがやたら軽いのでそこまでなかったな。「竜殺しの過ごす日々」だと殺すことにあまり躊躇してませんわね。こういう厳しさが書籍にもこれから出てくるのかどうか。
しかし気になるのは、web版の連載が8月で停まっていること。4章が一段落して次の段階に行きかけたところで停まってる感じです。なんかいろいろ作者が忙しいようなことをちらほら述べているのでそのへんなのかもしれませんが、絶筆とかなってないか若干心配になったりも。ていうか普通に先が早く読みたい。そしてweb小説だといつものことですが、これもあちこち粗っぽいところがありますね。台詞が誰のモノか解りづらかったり、状況説明がいまいちだったり。書籍として出版されるにあたってはそういうのをプロの目で校正されるんでしょうけど、そういうのを挟まない作者の勢いをそのままぶつけられるweb小説はそれもまた味ってところでしょうか。

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