http://news.livedoor.com/article/detail/5968728/
映画「はやぶさ」が不評らしい。
上記記事では「はやぶさがアニメ声で喋る」とか書いていてそれが悪いインパクトを与えている印象なんだけど、個人的にはさほど違和感ありませんでした。というのもそもそも発端としては映画で竹内結子演じるJAXA女性職員が、子供にも解るようにはやぶさの擬人化イラスト入り図説を書き始めたところで。この図説ってのが実在するらしく、後にまとめて絵本になったとか。実際にJAXAの女性職員が作ったもので、そういった実在職員を何人かミックスしたのが竹内キャラとなっているようです。他の主立った職員はそのままって人も多いのですが。でこの図説を示しつつ声が乗る感じ。最初は図説に声が乗ってたのだけど徐々に宇宙空間を漂う「はやぶさ」の映像に重ねられていったってのが実際のところです。いきなりCG「はやぶさ」が「こんにちわ!ボクはやぶさ!」とか喋ってるわけじゃないのだけど、記事に書いてるのだけ見たぶんにはそう思われても仕方ない感じ。
まあでも、邦画らしいチープさっぽいのが散見されるのは事実です。やっぱり無駄にドラマ仕立てにせず、もっと淡々としたドキュメンタリーのほうがいいのかなと思わなくもない。実際はやぶさ帰還記念展示で見た20分ぐらいのドキュメンタリーは普通に泣けたし。しかし序盤で各パーツの役割とかプロジェクトの意義を説明する段では、淡々とやるだけだと眠くなりそうだしなあ…各部門にキャラ立ててこそ印象づけられてるのかもしれない。
ともかく私的にはなかなか面白い映画だったのだけど、興行的にうまくいってないのなら残念なところです。しかも同様に「はやぶさ」を扱った映画がまだ2つぐらい出てくるっていうんだからどうなるんだろう。全部見るべき?
映画「はやぶさ」観てきた。淡々としたドキュメントでも泣けるのに、これがドラマ仕立てになったもう大変なことに… という期待を裏切らず、とりあえず打ち上げの時点で泣けた。それ以前に冒頭のタイトルだけでもやばいんだから俺ちょっとおかしい。
ともかく、最初のほうでプロジェクトの歴史とか各パーツの役割とかをざーっと解説してたのは好感。興味ない人は眠い展開かもしれないけど、そもそも興味ない人は観ませんわね。登場人物は実在のスタッフをモデルにして構成してるけども主役の竹内結子サンだけは複数のモデルを合成したようなキャラなんだとか。そのキャラ、研究一筋で地味な格好で人と目を合わせずぼそぼそ喋るような感じ。その人が補助職的に「はやぶさ」チームに入り、あちこちうろうろする中で各部を観客にも解説していくような流れでした。
映像は帰還シーンと、あとおそらく打ち上げのところも実際の映像を使ってたんじゃないのかな。ロケットが格納庫から出てくるあたりとか。打ち上げからはCGのフル稼働といった感じで、映画アポロ13の打ち上げをちょっと思い出したりも。後はお馴染みの苦難の連続を丹念に描いていて、リポビタンDとか「こんなこともあろうかと!」とかネタもちゃんと入ってたのにはちょっと感動しましたw あと地球スイングバイの描写で、リング状のガイドを宇宙空間にずらり並べて描いてみせてそこを連続して「はやぶさ」がくぐっていく、というのはちょっとイイなーと思ったところ。何がイイのかよく解らないけど、決められたコースを走るようにうまいことコントロールしてるんだよ的なのが感じられたのかな。
遠くイトカワのあたりで実際に「はやぶさ」がどういう状況だったのかは誰も見ていないのだけど、計測データや推測によるCGで示されることでその深刻さや満身創痍っぷりをあらためて感じたものでした。あとミネルバでしたっけ、タッチダウン前に探査機を放出したけど失敗・ロストしたというのもあったと思うのだけど、今回の映画では触れられず。そして帰還シーンはやっぱり感動。
今回20世紀フォックスが配給ということで、最初から世界向けでの企画みたいです。それだけ世界からも注目されてたってことですわね。すげえ。タイトルが「はやぶさ HAYABUSA」なのはそのせいもあるのか。でも何となく不要に思えるギャグシーンとかもあったのはそのへんも関係してるのかなとも思ったり。
昨夜はもうJAXA中継や現場中継やニコ生の映像に釘付けでした。
とにかく無事の帰還を果たしたことに全力で祝意と敬意を表したい。ずっと見ていたのはニコ生なんだけど、放送中に再突入の光はちらっとだけ映っていたけどそれで感動。その後カプセルが発するビーコンをキャッチしたとかでその音にさらに大感動。数々の困難を知恵と工夫と根性で乗り切った日本の技術者たちに乾杯。そしてそれに応えたはやぶさにも乾杯。素晴らしい。本当に素晴らしい。
こちらはNASAによる航空機からの映像らしい。
任務を終えてバラバラになって燃え尽きるはやぶさと、その後に残って降下を続けるカプセルが写っています。
そして最後に撮影したという地球の写真。ものすごくノイズが入っていて鮮明ではないし、途中でデータが途切れているけどそれがまさに最後の最後まで真摯に懸命に使命を果たしていたはやぶさの健気さを表しているようで、いろいろな思いが想起されます。
カプセル分離までは地球に背を向けた姿勢だったけど、最期にその「眼」に故郷を映して欲しいということでこの最後の指令が出されたんだとか。ノイズも途切れも非常に生々しい。
さらにはNHKのニュース映像も撮られていますが、これがまた頭上を横切る形で撮影されていて凄い迫力。これまた凄いところに陣取ったものですね。それだけ落下地点が正確だったってことでしょうか。すぐに見つかったらしいし。
とにもかくにも、お疲れ様。ありがとう。おかえり。
http://hayabusa.jaxa.jp/
昨日のNHK「クローズアップ現代」でも扱われていましたが日本の探査機「はやぶさ」が13日深夜に帰ってくるらしいです。
たびたびネット上でも話題になっていたのでその存在は以前から気になっていましたが、いよいよ最終的な軌道調整?にも成功したとかであとは地球帰還を待つのみ、ということらしいです。
その苦難の道のりについてはいろんなところで表現されていますが、こんな漫画もありました。
http://d.tank.jp/
とりあえず読んだだけで泣きそう。
これほどに人の心を引きつけてやまない要因はいろいろあると思うのですが、NASAと比較にならない低予算の中で挑戦的なプロジェクトとして立ち上げられ、次々に襲いかかる致命的な困難にも知恵と工夫と根性で乗り切り続け、支える人たちの情熱に応えるはやぶさも健気に見えて…とまあ、もはやただの機械とかただの科学プロジェクトには思えないのですよね。しかも最終的にはイトカワの岩石を保持しているかもしれないカプセルを放出した後は大気圏で燃え尽きるところまでがミッションというのも涙を誘います。
あちこちで言われていることですが、もはやイトカワ岩石を持っているかどうかはあまり重要でもなくて、ここまでの経緯自体がとんでもない貴重な成果であり、以降の宇宙開発に多大な貢献をもう既にもたらしているらしい。これで機体を回収できればさらに様々な分析も可能になるんでしょうけど、膨大な費用がかかるでしょうしそもそもランデブーが不可能なんでしたっけ。
13日の深夜、帰宅の姿を日本からは残念ながら見えないらしいです。南の空へ「おかえり」を…