「戦国時代に宇宙要塞でやって来ました。」5巻が出てました。タイトル通りに、宇宙SFMMOなゲームをサービス終了までやってたら戦国時代に紛れ込んじゃったという作で、信長を見に行ってみようぜ!と尾張を訪れたらその信長に気に入られて召し抱えられて、そのオーバーテクノロジーや知識で織田家をサポートしていったらやがて徐々に歴史に影響を与えていくという話。主人公は宇宙要塞にプレイをサポートする女性アンドロイド120体ぐらいを所持していて、その彼女たちも同時に人間となってともに戦国を生きていく。主人公も含めて人間離れした肉体能力を保持していて、優男だ女だと舐めてかかってくる連中を軽く叩きのめすあたりは痛快。いつの間にか生殖能力さえ備わっていて、そのうち子供もどんどん増えていくのだけど、そうした生活を経て徐々に生体人生の実感みたいなものをアンドロイドたちが得て行く描写も独特。特に最初に作られた「エル」はアンドロイドたちの中でも「正妻」として一目置かれているのも面白い(ゲーム序盤ではエルと2人だけで中古宇宙船で活動してたなあなんて話もちらっと出てくる)。子供を産むのもまずエルが最初として懐妊調整してたらしい。今巻の最後のほうではそのアンドロイドたちとの絆を感じさせるエピソードもあったり。そういえばゲーム内で新しいキャラを作るときは皆で温かく迎えたもんだなんて話もあって、ちょっとほっこりする。
武装に関しても宇宙要塞でどんどん生産して提供できるので戦でも負け知らずで、虫型ドローンとかで情報収集も万全みたい。その気になれば一気に日本全体を武力制圧も可能だろうけどそこまではやらない。無敵最強を維持しているけどどこかで足をすくわれることないのかな、武装が盗難されたりとか間者に狙撃されたりとかないんだろうかとか心配にならなくもないが、拠点においても情報収集は万全だろうから無双を続けられるのかも。今回は関東遠征の話でしたが、web版のほうでは今川や武田にも大きな動きがあったりしてどんどん歴史を改編しちゃってます。
ゲームが現実に、というのは「オーバーロード」がアニメにもなったけど、同様にファンタジー世界に紛れ込んだという「ファンタジー世界に宇宙要塞でやって来ました」もあったりするけど、こちらはいわゆるエタってる状態。戦国のほうが作者的にも面白かったのかな。ともかく「オーバーロード」ではゲームからリアルへの変化において配下キャラ(シャルティアとかアルベドとかの連中)の反応が明らかに変化したというのがあるけど、今作だとゲーム時代から高性能AI搭載で特に反応は変わってないような。ていうかゲーム外のリアルをゲーム時代から認識してた気がする。なので史実をベースにした戦国時代の現状認識とかも普通にやってるし、まあ高性能AIのサポートキャラを120人も侍らせることができるゲームってのはなかなか簡単には実現しないのかもね。
2021/12/13
戦国時代に宇宙要塞でやって来ました。5巻
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