「理想のヒモ生活」14巻。相変わらずヒモと言いつつ「いつの間にか国内でも随一の多忙」と言われるぐらいあちこち飛び回って働く旦那様。全然ヒモじゃない、めっちゃ国のため女王のために働いてる。営業マンとして鍛えた対応力で、魑魅魍魎な貴族社会にも対処してるし。めでたく側室も迎えたのだけど、正妻と寵愛を競い合う…よりもまず夫をなんとか居心地良くさせようと協力して腐心する。なにしろ旦那様は小心な日本人、側室を迎えるのだけでも抵抗が大きくてようやく迎え入れることになったのである。そんな環境なので、妻同士が夫について心配したり打算したりで話し合うシーンがなかなか味わい深い。ついでにこの側室、遠い他国の王女であり、その他国の地での騒動に今後いろいろ巻き込まれそうな感じでそれへの対策もいろいろ話し合われてた。そういえば身内だったり他国間だったりで会談が多かったな。「転スラ」じゃないけどほとんど会議してたような。それでも面白いです。コレどうなんだろう、アニメ化とかするには地味かな…戦闘とかが無いわけじゃないが、基本的に政治ドラマ…といえるのかどうか、内政ネタが多い気がするし。
2021/10/02
2021/03/11
異のん農7巻 & ヒモ生活11巻 & チート魔女
「異世界のんびり農家」漫画7巻。天使族のキアービットが殴り込んできたという話の続きからで、既に嫁になっている天使族のティアとの仲を認めるための「試練」が村長に与えられる。しかしその試練1つ1つがあっさりクリアできてしまうのがおかしい。隣でサポートしてるグランマリアが自信満々に「大丈夫です」とグッと親指立ててるのもおかしい。その後もお馴染み武闘会だったり子だくさんだったりなどだけど、相変わらずモノローグが多い。コレはまあ、原作がそうだから仕方ないといえばそうかもしれない。もしアニメ化でもしようものならほとんど主人公のナレーションで進行しそうな勢い。とはいえ無理に普通のドラマ構成にするとそれはそれで今作独自の雰囲気を損なう気もする。
「理想のヒモ生活」漫画11巻。国内出張中だった婿殿、現地貴族と訪問中隣国貴族とのトラブルに巻き込まれて何とか片付けて帰還、愛妻に襲いかかろうとしたらその女王アウラが第2子をご懐妊してた。側室を求める周囲には見向きもせず妻一筋だったのに、またお預け状態で嬉しさとしょんぼりが同時に来る婿殿。女王出産の準備がいろいろ動き出す中で、婿殿は新たな長期出張の予感。それにしてもヒモと言いつつ働きまくっている婿殿。女王の名代としてあちこちに出回り、営業マン経験を活かして政治的対応も無難にこなす有能ぶり。転移前の文明利器や知識もいろいろ持ち込んで活用してるし、何より女王への忠誠心も高いしで他に替えの効かないなかなかの働きぶりは全然ヒモじゃない。
今作はweb版のほうはほぼ停止状態で、書籍出版のほうを主軸に置いている形になっています。それをベースとした漫画版ももう11巻ですか。ちなみに漫画版より先を行く書籍版では婿殿がさらに出張して活躍しまくってます。どこがヒモだ状態にどんどん磨きがかかる。武力のない男は軽んじられがちな世界において、社会人経験と文明利器と知恵でこなしてみせる様はなかなか独特で痛快。
あとガンガンオンライン掲載の「魔力チートな魔女になりました」、今月掲載分の「1話」は読みました。とりあえずテトが人の姿を得るところまで。まあテトが活躍しないと作品のパワーが激減するのは間違いないので、早めの登場には安心しました。やっぱりテト可愛い。泥人形状態のテトも愛嬌あって好きだけど。
基本月刊ベースのようで、それを今月の場合は5分割して3/8から連日無料分を追加していった感じです。まだ無料分じゃないのを読むにはポイント消費が必要と。次回は「2話-1」が4/12公開だそうで、今後も第2月曜に公開していくのかな。1話は結構ページがあったように思うので、このペースで連載されるなら半年分も溜まれば単行本が出せるんじゃないかとも思うけどどうなんでしょう。最初だけ増量ってこともありそうだけど。
2018/06/23
ヒーロー文庫の電子書籍
「理想のヒモ生活」が1年ぶりに更新されたのでコレってKindleで出てないんだっけ、と見たら出てなかった。いつの間にか出版も巻数が進んでいて追いきれてない。
上記作を含む「なろう」作を多数出しているヒーロー文庫の対応を調べたら、この春から出てはいるのね。しかしまだ4作のみ。と思ったらBookwalkerでは2作追加されてた。そのうち「異世界チート魔術師」はアニメ化進行中というけどこちらはweb連載も淡々と継続している感じ。チートな戦闘力を持つけどそのわりに主人公らが苦労する作だとは思うけど、アニメ化が楽しみなような不安なような。単純な無双じゃないぶんだけむしろドラマは作りやすいかも知れない? 同じく電子化されている「ネクストライフ」はweb版と全く違ってるのよね。舞台は同じ世界だけど「別ルート」ということで主人公が降り立つ位置が異なり、しかもいきなり新キャラが出てきてやや混乱した。最初のほうは読んだけどその後もだいぶ続いているのね。もう13巻も出てるのか。
冒頭の「理想のヒモ生活」もそうなんだけど、ヒーロー文庫ではweb版とは別展開が推奨されてたりするんだろうか。「ナイツ&マジック」とかはわりとそのままな気がするので必ずしもそうでないと出版しないというわけでもなさそうだけど。某社や某社みたいにweb掲載を制限するわけでもないのも好感。違う展開が楽しめますよというアピールができたほうが出版社としては好ましいのかもしれないし、むしろ作者や読者が望んでいるのかもしれない。私的には基本そのままで追加エピソードあるぐらいが安心して読めるけども。
電子書籍といえば「オーバーロード」がいきなり電子化されたのは嬉しかったけど、あとがきとか読んでるとどうも作者が入院して電子書籍素晴らしい!となったのが発端みたい。まあ病室持ち込みには最適ですものね。特に「オーバーロード」は各巻が分厚いので助かってます。次はだいぶ先になりそうですけど待ち遠しい。
2013/04/26
理想のヒモ生活#3
「理想のヒモ生活」3巻読んだ。主人公・善次郎が、ファンタジー世界の女王・アウラから婿として召喚されてかの地で生きる物語。相変わらず、ヒモと言いつついろいろ忙しそうにしています。
また例によって以下全力でネタバレ。
1巻ではわりと目立っていた気もする微エロ描写がどんどん薄れて行って、国内外の様々な思惑とか世界情勢にいろいろ巻き込まれて行く感じ。次巻では他国の王子王女が(主に善次郎がどんな奴かを見定めるために)乗り込んでくるような流れになっていたり、今作で野良ドラゴン討伐に配下領主が失敗したのを巻き返しに行くであろう権力欲旺盛な将軍の動向も気になったりでいろいろ気になる要素をてんこ盛りにして次巻に続いております。
今巻では2巻で誕生した王子をめぐるあれこれやら、善次郎がもたらした技術革新の萌芽などが印象的。かの地には存在しないガラスを再現すべく鍛冶職人を集めるなどいろいろ他にも実験をやらせるのだけど、さっそく王国経済に貢献しそうなものも出てきたりする。それらの功績は善次郎のものなのに表向きは全て女王の発案としておかなければならないのがアウラとしても心苦しいところ。なにしろ下手に善次郎が目立ってしまうと、その威光を取り込もうと国内外の勢力が手を替え品を替え押し掛けてくるのは目に見えているのだ。今でさえ側室志望者を抑えるのに必死なのに(とある事情により側室が取れない&善次郎がそもそも妻アウラ以外眼中に無い)。
次巻以降の展開も気になるところです。
2013/04/24
「理想のヒモ生活」
分類としてはラノベになると思う、「理想のヒモ生活」2巻まで読んでみた。とんでもないタイトルだが、だいたいそんな感じ。現代日本からファンタジー世界に突然召還された主人公が、巨乳美女な女王から婿になることを求められる話。異文化交流な感じがなかなか面白いです。
以下全力でネタバレ。
そもそも何故またわざわざ婿を異世界から召還しないといけないかというと、かの世界は長らくの戦乱がようやく収まったところで王家の血筋が絶えかけてるんだとか。それで唯一生き残ったヒロインが女王として統治しているのだけど、血筋を絶やすわけにいかないので結婚が急務。しかし男性上位の世界で下手に有力貴族などから婿を迎えると女王派と婿派で内乱になることが目に見えているので、できるだけそういう地縁や野心からほど遠い者がふさわしい。そして願わくば王家の血筋を引いている者…ということで異世界にその条件づけして召還をかけたらコンビニ弁当をぶらさげて自転車を押した主人公がいきなり呼ばれたという次第。
この血筋の重要性というのがまたユニークで、王家にはそれぞれ固有の魔法を使える特質があるらしい。主人公が呼ばれた国は時空魔法を持っていて、異世界からの召還もその一環。他には瞬間移動にも使えるみたい。他国では治癒魔法とか付与魔法とか、とにかくそれぞれ固有の魔法能力を王家の血が持っていて、それにより経済的な利益を得たり戦争での武力になったりで、国力の基礎としてきわめて重要なんだとか。魔法そのものは一般的な技能で誰でも修練を積めば使えるようになるが、個人の魔力には差があり、王家魔法はその血がないと能力を発現しない。つまり解釈を加えるなら、固有の遺伝子を持っていると特殊能力が発現して、そういう能力を持った一族が各地で繁栄を得て王家として今に至るという流れなのかも。従って結婚により一族の人数そのものを増やすことが急がれている。そして何故主人公が異世界の王家の血筋を持っているのかというと、150年ぐらい前になんかゴタゴタがあってそこの王子が時空魔法により現代日本に駆け落ちしてきたらしく、主人公はその末裔にあたるらしい。
…とまあこういう背景で進行する物語なのだけど、1巻はその異文化交流的な流れがメイン。社畜として日常に疲れていた主人公は考えた末に異世界への婿入りを決意、しかしかの地は中世風の文明レベルでまだ電気も無くしかもわりと暑い。なのでなんとか発電機と冷蔵庫やエアコンを持ち込まなければと四苦八苦してみたりする。さらには何となく持ち込んだビー玉やチョコレートなどが非常に珍重されるなど、文明格差を味わうところがしばしば。しかしこの文明格差、持ち込んだ物がことごとく貴重品になるのなら得意の時空魔法でもっといろいろ輸入しそうなものだけど、そのへんは矜持というものがあるのかな。あと異世界をつなぐのには星の配置とかも重要で、主人公初召還時には1ヶ月後にまたタイミングが合うのでそのときまでに準備してくれという流れだった(その間に発電機を用意したり身辺整理とかやった)けど、その後は30年ほど機会が来ないらしい。だからそれこそ王家の婿探しとか駆け落ちとか、異例の重要事態にしか利用しないってことなのかも?
で、新婚さんで子づくりも重要な課題だけあってか、わりとそっち方面の描写も出てきます。とはいえそのものの描写をじっくりやるわけでもなく、事前事後といった感じで、ちゃんとやることやってますよ的な。そして2巻最後にはついに王子誕生というイベントも。3巻以降はこの王子を巡るいろいろもありそうだな。
1巻では異文化交流とか夫婦交流とかが主体で、そもそも政治的には何もしないことが求められている主人公だからそれをいいことにほとんど王宮に引きこもってます。でも2巻になるとそういうわけにもいかなくて、特にヒロインが妊娠して公務に支障を来す状況になってくると代理で外に顔を出すことも。もちろん重要な交渉ごととかではなく、座っているだけでいいような公務など。そんな中でも王家の代表ではなくあくまで女王の名代だということを強調したり、権利欲をうかがわせたり有力者らに付け入る隙を与えないために側室の受け入れを拒否するなど、いろいろ涙ぐましい努力も見せています。主人公は立場上引きこもっているけどももともと営業職なので対外接触は苦手でもなく、そのへんのなかなかの頭の切れを見せてくれたりも。
ちなみにヒロインは巨乳美女なんだけど女王をやるだけあって毅然とした女傑のイメージで、戦士としても男性に引けを取らないらしい。かの地は男性上位の社会なので何事にも控えめな女性が好まれ、権力欲以外で婿になろうという男性はなかなかいなんだとか。そんなヒロインが、当初はあくまで王家のため国のためにという印象が強い結婚のイメージだったけど、徐々に主人公の誠実さに惚れ込んで行く様も魅力的だったり。
王家の維持のためには側室を取るのも当然となるのだけど、主人公が自らその気が無いのに加えて側室を取れない事情も2巻で発覚してきたりします。ほのぼのイメージの強かった1巻と比べて2巻では国内外からの権力への干渉が徐々に顕在化していく印象で、しかし王子も得て家族としての絆も強まって行く印象もあり、なんかこの一家を応援したくなる感じ。ヒモ生活といいつつなかなか婿殿も忙しいですw
これ表紙イラストもいかにもセクシー美女なイメージですが、1巻だとセクシークールビューティな感じだけど2巻以降は優しさもうかがえるのが印象的。