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2013/10/07

フェアリーテイル・クロニクル

カテゴリー: 未分類 — chaba @ 18:32

フェアリーテイル・クロニクル 空気読まない異世界ライフ」読んでいる。もともとはamazonのオススメに出てきたモノで、しかし文庫本じゃない高いアレだったのでうーんと迷っていたらこれもまたweb小節だというからその原典のほうを読んでみた。
掲載サイトは例のヒーロー文庫を多数輩出している「小説家になろう」です。ヒーロー文庫だとこちらでの掲載から書籍化にあたってかなり加筆修正を入れているらしいけど、今作はよく解らず。

例によってVRMMOゲームに取り込まれたような形で物語が始まるのだけど、主人公はイケメンでも不細工でもないような男子高校生。特徴的なのは彼が生産方向に激しく偏ったキャラ作りをしていることで、そのキャラ性能がそのまま引き継がれています。ただし外見はアバターと違って生身そのまま。そんな彼が突入直後に同級生の美少女と出会うのが発端となりますが、しかし彼が過去のひどい事件により重度の女性恐怖症になっているので簡単にラブロマンスは始まらないどころかひたすら距離を置くことに。
今まで読んできた異世界迷い込み系ラノベでは主人公のみが現代人だというパターンが多かったけど、今作ではこれに加えてさらに3人の現代日本人が合流するのが1つの特徴。彼らとともに、現代への帰還を模索して異世界を訪ねて回るのが基本スタイルです。もう1つの大きな特徴が、主人公が生産特化なのでひたすら物作りをしていること。装備品を作るために道具どころか溶鉱炉とかまで作ってしまう。モンスターを倒せばすぐに解体して使える部位を集めてるし、さらに主人公とヒロインが料理スキルも極めているのでやたら食うシーンも多い。もちろんモンスターも食材に使い、ワイバーンの竜田揚げとか巨大ミミズのハンバーグとか、とにかく料理もふんだんに出てきます。それで現地の人たちを高性能製品や異国の味で魅了して回ってたりも。
日本人5人がかなりきっちり役割分担できているところも特徴的というか作為的ではあるか。主人公が生産特化の一環で採集用にHPと防御を高めていることから戦闘では壁役で、ヒロインがスピード重視の遊撃的な魔法剣士(アスナ+リーファ的?)、あとの3人が物理戦闘特化・魔法特化・シーフ兼生産者(主人公の「弟子」)といった構成で、皆でまとまればなかなかバランス良さそう。作中で語られているところではあとは状態異常系の魔法使いが欲しいとか。とにかく個性的なメンツで、これ以外にも現地のキャラクターがどんどん加わってくるのでにぎやかです。
異世界からの脱出を模索しつついろいろ作っていろいろ食ってる話だけど、女性恐怖症の主人公をめぐるラブコメ要素もやっぱり出てくる。外見的にはぱっとしなくて普段はヘタレなところが目立つ(関西人である)けど、ハイレベルな生産に打ち込んでいるときは尋常でないオーラを放つようで。あといろんなところで命を救うことになった女性に惚れられたりもする。しかし女性が怖くて仕方ない、それも一定以上に近寄られると顔面蒼白脂汗ダラダラ全身ガクガク、しまいには土気色になって失神してしまうというレベルなので簡単では無い。いわゆるラッキースケベな展開も本人にとっては生命の危機でしかない。そういう彼の心をなんとか解きほぐそうと女性陣が奮闘するのもみどころ…か?
とにかくMMORPGでも生産系が好きな人にはお勧めかもしれません。まだ物語は継続中で、先もどうなるのか不明。

今回あらためてというか、初めてまともに「小説家になろう」サイトを見てみたのだけど、確かにヒーロー文庫で出ている作も散見されます。しかし「異世界迷宮で奴隷ハーレムを(書籍版では「奴隷」が抜けてる)」がランキングトップというのは何だろう。書籍で読んでみた感じではいまいち盛り上がりに欠けるというか、主人公の実験を経てシステムの説明に費やしているところがやたら目立っていた印象がぬぐえないのですけども。やっぱり比較的性描写がストレートで多数出てくるのが受けてるんですかね。
あと「理想のヒモ生活」も3位につけているけど、掲載内容一覧を見るに最近出た4巻のぶんもわりと最近アップされている感じ。結構文庫でも人気のようだから、webと同時に出版の準備も進めていたんでしょうかね。見方を変えると、書籍出版分の先を読もうってわけにはいかないのが残念といえば残念。
サイトを利用していると、コレを読んでいる人は他にコレも読んでいます系のリンクが出ているのが便利かもしれない。これでいろいろ異世界取り込まれ系が読めそうです。さすがに膨大なので全部は読み切れそうにないけど。まあさすがにweb小説となると荒っぽいところも散見されますが、手軽に楽しめるのは良いですね。できたら作者にも還元したいので「投げ銭」的なシステムでもあれば使いたいけど、地味に広告入れている以外は商売っ気薄いサイトですよね。書籍化に伴うあたりで十分に潤ってるのだろうか。

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