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2017/09/25

トリニータス系

カテゴリー: 読書, 雑談 — chaba @ 09:38

トリニータス・ムンドゥス 〜聖騎士レイの物語〜」「ドリーム・ライフ ~夢の異世界生活~」のweb掲載分をようやく読み切り、Kindle版も買って読んだりしている。これらは同じ世界の別キャラ視点での話で、時間的にも微妙に重なっているので直接交流は無いみたいだけど間接的につながりを見せたりする。そもそも前者のほうがメインで後者のほうが外伝ということなのだけど、同時に出版してみたらメインのほうは2巻で止まってるのに外伝のほうは3巻まで出ていて4巻も年内予定で、外伝のほうだけ好調という悲しい展開に。コレはでも解る気がするんだよねえ。どちらも異世界転生もので、能力は高いんだけどなかなかそのハイスペックを発揮できないのが共通した特徴。後者のほうは赤子から産まれるのでポテンシャルは高いし成長速度も異様なんだけど、なかなか無双できるところまで行けないので知識ではわりと無双に近い…わけでもないか。中途半端な知識でいろいろ失敗もしてるしな。片や前者のほうはハイスペックなファンタジー騎士の肉体に貧弱な現代高校生の魂が入り込んでしまったという体で、とにかく何かと弱気でいろいろ読んでいてストレスが溜まる感じなのが辛い。実際に訓練とかしてみると「体が覚えている」感じでわりと動けたりする、しかし実際の殺し合いに対峙するとガクブルになってしまうような脆さが露呈してしまったりとか。だんだん慣れては行くのだけどなにかとこのストレスフルな描写が多くて、それに引っ張られるようにヒロインも妙に悩みがちだったりして、どうにもスッキリしない感。次々に降りかかる悪意に翻弄されまくるし、最終的には打ち負かすにしても、課程がなかなか大変です。で両者とも語り口は基本シリアスなのだけど、「ドリームライフ」のほうが知識無双する中で作者の好みが全開になって、酒造り特に蒸留酒に打ち込む描写が実に細かい。でファンタジーで酒と言えばドワーフ、この蒸留酒がドワーフに全力で支持された結果、ストーリーでも甚大なるインパクトを与えることに。その結果として「ドワーフライフ」が本題なんじゃないかとまで言われ、書籍出版の追加エピソードとして「ドワーフライフ」が恒例になってしまいました。でシリアスなはずの「トリニータス・ムンドゥス」にも書籍版では「ドワーフライフ」が付いてきてしまう事態に。いちおう時系列的にはこちらが少し後になってるので別に矛盾は生じてないのだけど、しかしやはり読み口としてストレスの多い話は好まれないのかなと思った次第。話がどんどん大きくなってくるとなかなか面白いんだけどなあ。いや正直、「なろう」系としてはストレス多めなのでいささか疲れる面もありますが。「ドリームライフ」のほうも単純な無双系じゃなくていろいろ苦労はするのだけど、厳しい環境で徐々にステップアップしていく感じだし、何よりドワーフのインパクトが凄すぎるのでそれどころじゃない感じ?
あと個人的な感想なのだけど、イラストレーターの影響ももしかしてあるのかなと思わなくもない。「トリニータス・ムンドゥス」のほうは和狸ナオ氏、DS版「アトリエ」でキャラデザインしてた人だな。可愛いタッチを描く人なのだけど、頭身高めの本作にはいまいち合致してない気がする。一方の「ドリームライフ」のほうは電柱棒氏、今まで知らなかった人なのだけどかなり好感。特に幼児期のシャロンやメルがものすごく可愛い。リディや母上が美しい。ベアトリスや兄嫁といった今後の女性キャラがどんな感じで出てくるのか楽しみ。タッチも精緻でファンタジーに合ってる印象なので、この人に「トリニータス」のほうも任せたらまた違ったんじゃないかと思ってしまうほど。
両方とも初巻はUnlimitedで無料なのでよろしかったらお試しください。そういえばUnlimited、全然活用してないな。

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