「月が導く異世界道中」、もともと「なろう」に連載していたけど出版に関するアレコレで移籍しちゃったので素直に応援しづらいのが残念な作ですが、コミックの5巻が出てました。相変わらずじっくり進行しているのですが、漫画は緻密で綺麗で安定しています。内容的には2人の勇者の紹介が中心といったところですが、主人公と出会うのはまだ先。そして胸糞勇者こと智樹のほう、ちょっと同情を買うような過去とか相方となる王女リリの黒さ(「オーバーロード」のラナ王女みたいに狂気と知性を抱えているけどもっと黒いほうに振り切れてる)とかがありありと出ている感じで、いささか原作と印象が違う。外観ももっと派手なイメージだったけど、わりと落ち着いたイケメン青年なビジュアルに。もうひとりの勇者、先輩こと響のほうはこちらも外観イメージがちと思ってたのと違った。もっと短髪で活動的な体育会系の外観をイメージしてたけど、黒髪ストレートロングの正統派美少女だった。まあ生徒会長やってたというからそれには合う感じだろうか。しかし私の外観イメージというのもわりと勝手なところがあって、同作で主人公の側に仕える澪も、こちらは黒髪ロングのイメージだったのに書籍版イラストでは短髪でアレ?と思った記憶がある。しかし後から読み返すとしっかり本文にオカッパと明記されてるので、勝手なイメージが先行してた模様。なので響に関しても同様かもしれない。外観でいうと主人公の転移前の周囲の人物がたくさん回想で出てきて、そのあたりもなかなか興味深かった。このへんは綺麗で安定した作画なのが助かります。ついでに言うと澪の眷属のアルケーが人間化した姿がわりと好き。外観も好きだけど、出番が多かった4巻を読み返してみたら言葉が拙いけど頑張って説明してドヤ顔するあたりもカワイイ。あと巴の分体として活動するコモエもまだ出てないですかね?(後日追記:読み返してみたら1巻から登場してた…) 1号はちょっと悲しいことになるけど2号はわりと活躍するので早く見たい。1号の悲劇を見るのは辛いけど。この5巻では主人公が世話になる大商人のえげつない過去をわりとしっかり描くのだけど、そういった苛烈なシーンも結構あるのよねこの作は。そんなわけで今後も期待してますので今後もどんどん進行してくださいませ。
…とか言ってたらこちらで「マシな方」とか評価されていた。正直、ちょっと絵柄に古さを感じるところはあるけど、上述の通り緻密で綺麗で的確なので好きです。「なろう」系コミカライズも本当に千差万別というかレベルの差が激しいですよね… 見ているうちでトップクラスなのは「オーバーロード」「幼女戦記」だと思う。後者は「なろう」発じゃないけど同系web発ということで。「マギクラフト・マイスター」「デスマ」あたりは不満もあるけど丁寧で好きです。「デスマ」のほうは「アルトネリコ」のコミカライズも描いてた人だけど、ファンタジー風景やモンスターは良いけどどうにも人物とくに口元の描き方にずっと違和感がある。「精霊生活」は本当に大好きなのでこれからも頑張っていただきたい。あと「くまクマ熊ベアー」のコミカライズもなかなか丁寧ですね。「異世界のんびり農家」はモノローグがやたら目立つけど、もともと原作がそうなので作風を維持するということで仕方ないのかな。絵は安定してて好きです。
しかしこのコミカライズ類、webで連載しておいて溜まったら出版というのがセオリーなのだけど、その出版社があちこちに分散しているので掲載webも分散しているのが面倒でたまらん。ついでに作品によって月刊だったり週刊だったり。リアル雑誌に掲載してるのもありそうだけどそのあたりはよく解らん。
2018/11/10
月が導く異世界道中 コミック5巻
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