「なろう」掲載作の「日本国召還」を読んでいる。以前から気になってはいたのだけど、コミカライズをちらりと見かけたのを機に読んでみた。まだ掲載分を読み切ってないけどとりあえず一段落ぽいところまでは読んだ。書籍版の3巻あたりか? タイトル通りに日本が丸ごと異世界に行ってしまうという話で、隣接地に大農業国と大資源国があったのでとりあえず友好関係を結び、その農業国が軍事国に侵攻されたので生命線を守るために自衛隊出動…といった感じでどんどん軍事発展していく。とにかく弱肉強食の軍事侵攻が当たり前の殺伐とした世界で、攻め込んだ先では暴虐の限りが尽くされる。いわゆる「男は殺され、女は犯され」を地でいく感じ。これがまあ「ゴブリンスレイヤー」や「オーバーロード」みたいにじっくりしっかりと凄惨な状況を描くわけではなく、比較的あっさりというかかなり早い展開で進行します。多くの戦場では圧倒的な戦力差で敗者が潰されていく展開で、軍事国家が大蹂躙を開始したつもりだったけど居合わせた自衛隊に潰されたり、介入した自衛隊に壊滅されたりという展開が多々だったりもする。日本人を虐殺してみせるシーンもあって、さすがにそれは怒りを買うわ。まあでも逆襲できる力があったのは幸運なのかもしれない… 独特なのは日本以外にも国単位で転移しているところがあることで、それどころか日本自身も過去に転移していたらしいというところ。なので現在は文明発展度のアドバンテージで圧勝しているけどそのうち日本を超えるテクノロジー国家が出てくることもあるんじゃないかみたいな怖さもある。ついでに人間同士だけじゃなくて魔物や魔王といった存在も出てくる。しかしとにかく展開が早くて、しかもそれがだいたい蹂躙戦だったりするので、なかなか心理ストレスが大きいというかいささかくたびれる。「オーバーロード」のワーカー蹂躙とか大規模戦とかをずっとやってるような感じさえある。「オーバーロード」だったらもっとやられる側の背景をじっくり描いて見せてやられる衝撃を増幅させてきそうなものだけどそういうのが比較的あっさり。書籍3巻分でも「オーバーロード」だったらその数倍になってるんじゃないかという進行度かもしれない。とにかくまあ面白いのですけどいろいろ疲れる話でもある。国や地域が次々に出てくるので脳内地図が全然整ってないのも困る。それぞれの国でいくらでもサブエピソード作れそうだけど、とにかく先を急いでいるような印象すらあるぐらいどんどん進行してどんどん世界が広がってる感じ。
コミカライズ1巻を買って読んでみました。Amazonでの評価はわりと低めだったけど、それは絵柄や作風が今風でないことによるもののようで、読んだ感じは悪くないと思った。むしろ今風じゃないタッチが転移先世界の前時代感を出しているようにも思える。ファンタジーを描くのには手慣れているようにも見えるので個人的には好感です。残虐感もしっかりと、しつこくない程度に描かれている。