「なろう」掲載作の「異世界再建計画 ~転生勇者の後始末~」を読み終えた。全82話、そこそこの手頃な長さでした。タイトルが示す通り、勇者が召喚されて平和になったけどいろんな歪みが生じてしまった世界の補正に呼ばれるという話です。召喚先で死んだら現世界現時点に戻ってくるからどう?と神らしき存在に誘われ。独特なのは主人公がチートな能力を持たないままに異世界に降り立つことで、武器となるのはその現代知識と社会人経験(アラサー公務員)による交渉力のみ。それじゃあ心もとないということで人間サイズのドラゴン(普通に喋る)がナビゲーターとして付けられます。このドラゴンさんが豊富な知識とチートな戦闘力をお持ちで、ボケツッコミの会話をしつついろいろぶっ飛ばしたりしつつ世界を見て回る。そうこうしているうちに勇者の痕跡や主人公が呼ばれた真の理由に迫っていって…といった展開。道中でいろんな個性的で魅力的な面々に出会ったりして飽きさせない。ただのチート無双ものではない異世界冒険譚といったところです。
書籍版が3月に出るようですが、表紙絵がその世界を如実に表していてちょっと素敵。雄大な景色の中を並んで歩くスーツ男と人間サイズドラゴン。なんだか楽しく会話してそうで、ちょっと牧歌的な空気が良い。基本コメディタッチではあるけど殺伐とした展開もわりと見せる作です。長すぎずにさくっと終わっているところも好感かもしれない。まあもう少しサブキャラとかのサブストーリーも見てみたい感はあるけど。
あと最近その存在を知って読んでいるのが、「リアデイルの大地にて」。「なろう」黎明期からの作らしく、最近になってようやく書籍化されたということで注目されているようです。内容としては現実化したゲームの世界に入り込んでしまった系。主人公は廃人プレイしていたので限界突破したチートキャラで、しかもどういうわけかゲーム時から200年が経過した世界になっていて、そんな中をのほほんとした主人公がのんびり巻き起こす大騒動といった様相。こちらは基本的にかなりゆるーい話ではあります。たまに殺伐とした空気にもなるけど。まだ本編を完読はしてないけど、結構好きですこういうのほほんチート系。「なろう」黎明期の作ということで「竜殺しの過ごす日々」に似た雰囲気もあるかもしれない。さらに続編もあるみたいなのでしばらく楽しめそう。とりあえず本編を読んだら書籍版を買ってみよう。
あといつのまにか「日本国召喚」5巻も出ていた。