「2001夜物語」全3巻と外伝的な「2001+5」を読み終えました。
基本的に1話完結の短編・中編を多数収録という形なんだけど、それぞれ独立してるのかと思いきやリンクしてるエピソードも出てきたりして面白いです。1巻から3巻にかけて、人類の宇宙への進出と停滞を描いていて、巻が進むごとにどんどん技術革新も起こっていたり。技術革新により、初期段階で打ち上げられた無人探査機を後から有人船が「追い越して」しまうというエピソードもあったりしてなかなか壮大です。追い越すどころか先回りする話もあったな。
映像化されたという「共生惑星」「楕円軌道」は特に戦闘描写が目立つ作で、それだけに映像化しやすかったのかも? それらが冷戦以降の東西対立を軸にしてたりするのは時代を感じますが。まあ今でも似たようなものかもしれないけど。
映像化と言えば大昔に「さよならジュピター」の映画を見たとき、当時でも日本特撮の限界にしょんぼりした覚えがあります。このアップルシード系3DCGの手法でリメイクしてくれればまた面白そうな気もする…けどあまり派手な戦闘も無いから無理か…
しかし小説でも漫画でも、こういったSFで未知の天体現象や生物や、それらと関わったときのエピソードを創造する発想は本当に凄いですね。ブラックホールや反物質をエネルギーにして航行するなどといった未来技術についても、これらが古典SFなどで提示されてきたものなのかオリジナルなのかどうかすら解らん。でも基本的に人間ドラマです。開拓精神とか家族愛とか戦争とか恋愛とか世代交代とか、舞台は突拍子もなくてもそのへんは普遍的だから古さも感じないのでしょう。ただ「2001+5」収録作で初出が10年ぐらい飛んでたりするとさすがに絵柄の変化も感じますが。
同作者の作をもっと見てみたくなりました。
2009/11/06
2001夜物語、4冊読んだ
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