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2013/11/27

マギクラフト・マイスター

カテゴリー: ライトノベル — タグ: — chaba @ 10:34

マギクラフト・マイスター、結構長いけど一気に読んだ。「小説家になろう」サイトのこれまた異世界召喚され系ですが、魔法による工作技術でいろいろ作る話。死にかけて召喚されて生き返って、そして膨大な知識や技術を引き継いだはいいけど最初はなかなかうまく扱えず、しかしいろいろ模索しているうちにどんどんいろいろ作れるようになって、やがて世界を揺るがす陰謀に巻き込まれて行く流れ。現段階での公開では9章までで大きな話が一段落し、10章に入ってまた別の話に。最初の拠点となる村がのどかなところで、そこでいろいろ初期の試行錯誤してるあたりはかなりのんびりした雰囲気なのだけど、陰謀に巻き込まれてゴーレム戦を巻き起こしているあたりとかはなかなか殺伐としています。
特徴的なのがゴーレムの扱いの大きさで、魔法による様々な機関を搭載して自律稼働する人形をゴーレムと呼ぶけど、中でも人工皮膜で覆うなど特に人間に外見を似せたものをオートマターと呼ぶようです。主人公に付き従うオートマター「礼子」の最強っぷりがなかなか強烈。大量に生産したゴーレム部隊を率いて敵のアジトを壊滅させるところなど痛快のひとことですが、現場で指揮していた主人公が怪我しかけたらその最強部隊が一斉にひれ伏して主人を危険な目に遭わせたことを謝罪してるところなんてひたすらシュール。
物語のあちこちで様々なゴーレムやオートマター(現代の感覚ならアンドロイドと言ってよさげ)が出てきますが、大昔に投棄されてそのままだったりじっと目覚めの(復讐の)日を待っていたりとかそれぞれ様々に個性的です。「礼子」も頻繁にメンテナンスや強化のために稼働停止して主人公に身をゆだねてたりしますが、そういう停止中に主人公の身に何かあって再稼働できないままになってたら…なんてことはよくありがちな展開ですね。ゲームとかでもよく見かけるような。数十年とか数百年とかそのまま経過して、偶然そこを訪れた別の人物によって再起動されて、当然そこにいるはずの自らの主人がいないことに戸惑ったりとか。今作だと特にその熱烈な忠誠心が頻繁に出ているので、そんな状況になったらどうしようと思うだけでなんか切なくなりそう。しかしそこまでならずとも、忠誠心の高いアンドロイドたちを膨大に作り出しておいて、彼がいなくなったらどうするんだろうとは思ったりもする。食料も魔法加工用の資材もどんどん備蓄されていくのに主がいない世界とか、うわーこっちも考えただけで切なくて胃が痛くなりそう。

フェアリーテイル・クロニクルも同じ「小説家になろう」サイトのお気に入りですが、同じ「もの作り」を中心に据えつつもだいぶ趣が違う印象。全体に軽めなのは同様ですが。あと1話の文章量が違うと思ったら、「フェアリーテイル」が週刊ベースなのに対して「マギクラフト」のほうはほとんど日刊な模様。もちろんある程度書きためて日々更新しているようではありますが。

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