「崖の上のポニョ」がTVで初公開され、劇場で見てなかったしDVDも買ってない私も初めて観たのですが、何というかわりと面白かったです。
子供が観たらポニョの可愛さとか映像とかに魅了されるけど大人が観たらいろいろ深読みしてしまって大変だとか、宮崎駿の悪夢だとか、いろいろややこしい評判ばかり目にしていたのでどんな怖い作なのかと思ってしまってました。しかし実際観てみると、正直なところ私は普通の映画でも展開について行けなかったりリアルタイムに憶測するのも不得手だったりする(あとから妄想はよくする)ので、子供なみの把握力で観られたから面白かったのかもしれません。とりあえずポニョが妹たちを引き連れてソースケに会いに行くシーンとか、光り輝く巨大な美女が海面下を高速移動するシーンとか、誰も作れない監督の脳内イメージをそのまま映像化したようなところはとんでもねえファンタジーだなとは思いました。
しかしよく言われているのは死のイメージがつきまとっていることで、そんな私でもリサの車が主不在で物品を積んだまま残されていたところはさすがにゾッとしました。船の上の赤ん坊と絡むところも感覚的によく解らないし、そういった終盤の不思議なシーンは深く考えずにめでたしめでたし、で終わらせるのが健康的なのかもしれないけど… とりあえずいろんな引っかかりを残す作なことは間違い無いようです。しかしそれが不快じゃないのですよね。生死とか重いテーマを突きつけられて考え込んでしまう作もあったりするんだけど、そういう重さがあまり感じられないのです。DVDかBDでも買ってじっくり見直せばまた感じるものもあるんでしょうか。やっぱり録画しとけばよかったか。ていうかいいかげんにレコーダー買うか。こんなときにtorneが欲しい。