「セントールの悩み」、4巻まで読んでみた。セントールすなわちケンタウロスの女の子が主人公です。ただし女子高生、舞台は日本っぽいどこか。乱暴に例えると異世界で「けいおん!」みたいな萌え漫画をやったような感じでしょうか。
「人馬」と呼ばれるケンタウロス以外にも天使っぽいリングと白い羽根を持った「翼人」、横にとがった耳とは虫類っぽい羽根と尻尾を持った「竜人」などさまざまな形状の人たちが普通に共存している社会。ていうか基本的に2脚2腕の人類は存在しないっぽい。生物は3対の腕脚を持ち、そのうち2対が脚になると人馬になり、1対が羽根になると翼人や竜人になるとか。異種交配も普通で、兄弟によって形状が違うというのも普通。我々の社会だと髪や瞳や肌の色が違うとか、人種で顔つきが違うとかいったそういう程度の相違ととらえられている様子です。それだけに独特の文化習俗があって、物語自体は大した事件も起きないような学園生活を中心に日常を描いているのだけど、独特の社会描写が面白いです。形態による差別は厳しい処罰の対象になるとか、人馬用にトイレは広いとか、なんか色々と。
そしてやっぱり魅力的なのは絵柄が可愛いことでしょうねw 名前が姫乃なので「姫」と呼ばれる主人公、その名の通りにおっとりふんわりの可愛らしい容姿と性格。しかしなにしろケンタウロスなのででかいw さらにパワーあるのでたまに本気で走ると大迫力。そのギャップが妙な魅力を持っています。主人公の従妹や委員長の妹(3つ子+その下1人)など、2巻以降いろいろ出てくる小さい子らもやたら可愛い。
時折ちらりと南極蛇人への対応とか不穏な要素も漂わせていたりしますが、独特な世界の日常描写が非常に魅力的な作です。