「ソードアート・オンライン プログレッシブ」1巻読んだ。収録作は「星なき夜のアリア」「ヒゲの理由」「儚き剣のロンド」の3作で、それぞれ160P程度、20P程度、300P程度といったところ。結構厚いです。
「アリア」は1層ボス攻略の話で、電撃文庫MAGAZINE付録の「まるごと1冊 川原礫」に収録されていたのを読んだけど、もしかしたら以前にMAGAZINE本誌に掲載されてたりするのかな。ともかくキバオウとディアベルが登場することで知られるアニメ2話のエピソードでもあります。アニメのほうはだいぶ端折っているけど、話の流れは同じ。一番違うのは攻略会議以前に、迷宮で自暴自棄なソロプレイに没入するアスナにキリトが出会うところですね。これは今巻の「ロンド」もそうでありあとがきで作者も触れているけど、そもそもアスナと出会うのはもっと後のはずだった気がするけどいきなり1層から出会ってその後2層でもかなり行動を共にしているんである。まあでも別のパートナーと共に居るよりはアスナがいたほうが落ち着く気がするのも事実。
「ヒゲの理由」はその名の通り、情報屋のアルゴがヒゲ状のフェイスペイントをトレードマークにしている理由が語られるややコミカルなエピソード。最初の「アリア」で1層がクリアされて2層へのゲートが開放されて、待ち構えたプレイヤーが2層に殺到するなかでキリトが遭遇するアルゴとの話。
そして2層クリアに向かうのが「ロンド」。このプログレッシブではアインクラッドのシステム的な詳説もテーマにしているそうで、最初の「アリア」ではボス攻略レイドを、「ロンド」では武器強化をテーマにしているそうな。次の3層でもタイトル「黒白のコンチェルト」とテーマのキャンペーンクエストは決まっているらしい。この「ロンド」は300P程度あってこれだけで1冊にしてもいいぐらいなんだけど、内容的にも武器強化を中心に据えつつもボス攻略まで走り抜けていますので読み応えもなかなか。キリトとアスナが協力してとある謎の解明に立ち向かうのは「圏内事件」にも似た雰囲気がありますが。
しかしまだギルドも正式には組めなかったり各プレイヤーの装備品も心許なかったりと、MMO開始から間もない世界の雰囲気というのはわりと感じられます。私の経験した範囲で言うとFF11でまだLV10あたりの頃でしょうか。徐々に行動範囲も広げつつ、少しずつクエストもこなして装備もどんどん上げていっている最中。でもまだサポートジョブ取得とかジュノ到達とかいった、劇的に環境が変わる状況には至っていないような。今後ともじっくり描いていってほしいところですが、しかしこのプログレッシブは1年1冊が限度かなあとも作者語る。まあSAOもAWもそれぞれ本編を抱えているわけですからねえ。SAO本編のアリシゼーション3作目になる11巻は12月刊行みたいで予告が出てるけど気になる展開になりそうだし。
今後進んでいくなら、アスナとリズベットの出会いも描かれることを期待したい。1層ずつ攻略していくのなら最前線では無いリズ自身の成長というのは描きにくいかもしれないけど…そういうのはむしろプログレッシブじゃなくて今までもあった短編集の扱いのほうがむしろ入りやすいかも? リズが出るならシリカも出て欲しいなあ。今回の「ロンド」で商売に踏み出すきっかけを得たんじゃないかというエギルのその後も気になるしw