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[ 復活の地 ]
小川一水「復活の地」を読み終えました。地球を発祥とする人類が宇宙に散らばってそれぞれの惑星・星系で国家を樹立して勢力を競っているという未来を舞台に、辺境惑星の小国に起きた未曾有の大震災を巡る物語です。これが全3冊に渡るのだけど、全般に被害状況などの状況描写が綿々と綴られていて重厚な印象を受けます。それでも小川節に乗せられて一気に読み終えてしまいました。
それにしても、時砂の王(→老ヴォールの惑星)→第六大陸→復活の地、と読んできましたけども、第六大陸2冊で時砂の王の3倍ぐらいの厚さです。さらに復活の地3冊は第六大陸2冊の2倍ぐらいの厚さに。順調に長くなる方向で読んできたようです。今になって見比べてみると時砂の王が薄いこと薄いこと。それでも壮大な物語でしたもんねえ。そもそもは短編として構想されていたという話だけど、それだけにスピード感はあったかも。片や今回の復活の地は、じっくりじっくり語っていく感じでした。最初に時砂の王から入れたのは正解だったかもしれません。
ここまで小川一水作を7冊一気に(読む速度は速くないけど)読んできて、物語には満足しているけど不満があるとすれば人物描写かなあ。何というか、直情的というかストレートすぎる人物が目立つような。そういう人物が突っ走ってたしなめられるという展開もあざとく感じてしまったり。このへんは作者の老練を待った方がいいんでしょうかね。…まあ私自身の読解力が悪くてそう感じるだけなのかもしれない、というかその確率高そうだけどorz
あと人物名も気になる。未来とか異世界での登場人物、地球で聞き慣れないような名称ばかりに見えます。英語圏に聞こえるようなモノを徹底的に排除してるんですかね? おかげで人物名が覚えにくくて大変です。まあ特に今作は話が長くて登場人物が多かったので、一度出てきて次に出るまでの間が長くて、出てきても誰コレ?状態になりやすいのもあるか。第六大陸は日本人が中心だったから覚えやすかったなあ。
2008-05-23 17:44:51
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